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ホテルリネン業界のつぶやき

2025年02月17日

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 - エンパイア -

 

 

 先月友人と橿原神宮に参拝に行く道中で友人から質問を投げかけられた。1つは神宮と神社の違いは何か? もう一つはこの世に実在するエンペラーは何人いるか?

 1問目の神宮と神社の違いは何となく理解していたが、エンペラーと言う称号についてはこの世に不在と理解していた。第一次世界大戦で4つの帝国が消滅して残った2つの帝国の内、大日本帝国は太平洋戦争後にGHQより大日本帝国の使用を拒否され、大英帝国は1947年のインド独立で必然的に消滅した形になっているのでこの世に帝国はなく、エンペラーは不在と解釈していた。所が、この世にエンペラーと世界で称される人がたった1人、然も日本の今上陛下の事だと言うから驚きと感動だ。厳密にいえば大英帝国消滅後もエチオピアのハイレ・セラシエ1世、イランのパーレビ―・シャー、中央アフリカのボカサ皇帝が存在したが、1979年以降の45年間は日本のエンペラーしか世界に存在していない。

 

 これは日本国民にとって大変光栄な事で有るが然し、世界には王様、女王様が数ある中で何故帝国でない今の日本の天皇陛下だけがエンペラーと称されるのかには大いに興味ありだ。きくところによると、既に17世紀にドイツ人の医師エンゲルベルト・ケンペルと言う人物が著わした「日本誌」で天皇の事をエンペラーと称されていた様である。更に18世紀にはこの「日本誌」は英語、フランス語、オランダ語にも翻訳されベストセラーとなり日本の天皇がエンペラーで有る事がヨーロッパ中に定着した様だ。そういう歴史的背景もあり、1853年にペリー提督が黒船船団で日本にやって来た時にも天皇は「エンペラー」と呼ばれている。余談だが、1726年に出版されたジョナサン・スウィフトの執筆した「ガリバー旅行記」には、1709年5月21日にガリバーは日本の東端の港ザモスキに到着し、江戸で日本の皇帝に拝謁を許され、オランダ人に課される踏み絵の儀式の免除を申し出たと記されている。ガリバー旅行記も世界でヒットした名作だから、この頃からヨーロッパの人々には日本にエンペラーが存在する事は知られていた様だ。

 

 中国には中華思想があり、世界の支配者が「皇帝」であり特に皇の字が「王の中の王」を意味する。日本の「天皇」という称号はその中国(当時の隋)と対等な地位であるという事を内外に宣伝する必要があった為にこの称号が使われる様になったものと伝えられている。故に、中国の皇帝がエンペラーと呼ばれるなら、日本の天皇もエンペラーだという事だ。一方、ヨーロッパに目を向ければ、古代ローマの伝統を受け継ぐ正当な後継者がエンペラーであり、神聖ローマ皇帝位をハプスブルク家が継承し始める15世紀頃からは皇帝にも血統の継承が重んじられる様になった。ならば、万世一系で日本の正統な君主である天皇は英訳すれば正真正銘エンペラーとなる。

 

 東洋と欧米の「皇帝=エンペラー」と言う概念を総称すると、

  1. 世界を支配する「王の中の王」

  2. ローマ皇帝の正統な後継者且つ血統の継承者

  3. 多くの国を従える国の絶対的権力者

 という事に。

 

 ローマ帝国はその時代地中海沿岸で最大の勢力を持った国家であり、歴史家はその時代の栄光の証として平和と秩序のローマ神話の神パークスの名にあやかりパックス・ロマーナと呼んだ。それに準えて歴史教科書にも出てくるパックス・ブリタニカとその後を継いだパックス・アメリカーナと云う時代がある。ある国が強大な勢力を持っている為に平和な状態である事、または繫栄し安定した社会を築いている状態を世界は「パックス(PAX)」と呼んでいる。

 

 しかしながらパックスもやがては衰退する。パックス・ロマーナはパンとサーカスを契機として衰退し始めたのは有名な話である。パックス・ブリタニカは金1oz=3ポンド17シリング10ペンスという国際金本位制=ポンド体制を確立したものの、莫大な戦争費用と広大な植民地経営に耐え切れず金本位制を維持出来なくなり敢無く衰退。パックス・アメリカーナも1944年からのプレトンウッズ体制に於いて金1oz=$35(=\360)と云う金本位制を採用したものの、相次ぐ戦争経費を賄えなくなり遂に1971年のニクソンショックで崩壊。その後は$=石油体制を築き何とか現在に至っているものの、湾岸戦争でサダム・フセインの言動に見られた様に石油取引自体が既に$離れを起こしかけている様相が世界の権力者から見え隠れしている。

 

 先月20日に“Make America Great Again“と云う選挙スローガンを掲げパックス・アメリカーナの再現を目指した一人の重農主義者が政権の座に返り咲いた。その政策は米国経済が既にロシア、中国より劣っている事を悟り、これ迄のアメリカの推進してきた重商主義から一転し、再び製造業国家へと大きく舵を切る。挑発的な発言をしながらも再び自国繁栄の為に今月から保護主義政策に転換した。注意しなければならないのは世界の秩序が急に逆回転を始めたという事、そして自国発展の為には手段を選ばないと言う政策だ。今はカナダ、メキシコ、中国が関税の標的となっているが、やがて1985年のプラザ合意の時の様に、体力が付いた所で$安を仕掛け米国製品の販売を世界的に強要してくると思われる。円安を謳歌していた日本の観光業も逆回転が始まった事を悟らねばならない。水面下で観光産業を動かしているのは外国資本なのだ。

 

 強国による2つの繁栄は何れも重商主義の付けによる経済政策の失敗で衰退している為、同じ轍を踏まぬ様にトランプ政権は国内産業を育成しエネルギー、自動車そして半導体等の主要輸出品目の生産コストを徹底的に下げて貿易戦争に打ち勝とうとしている。なりふり構わず仕掛けられる保護主義政策に世界中が混沌してくる中で、資本を持たない日本が行うべきはイノベーションを通じて資本と技術による経済成長を促し、世界を市場経済と自由貿易体制に導く事にある。アメリカの圧力に屈せず先ずは日本が主導するCPTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を作り上げ、ロシア、中国を国際的に孤立させず貿易戦争を回避して、経済力を背景にした平和な世界、詰りパックス・ジャポニカの創造に尽力することではなかろうか。そう考えると、世界が賞賛するエンペラーはもう一つの雰囲気を醸し出している様にも思える。

 

 さて、2026年春には帝国ホテルにとって念願の京都に「帝国ホテル京都」がお目見えする。コンセプトは「次は、あなたの寛ぎの舞台へ」と、京都を訪問する観光客に物語を綴る舞台を提供頂ける様だ。帝国ホテルといえばホテルブランドだけでなくアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトとの関係を切り離せない。特に“東洋の宝石”と称されたライト館に魅せられたオールドファンは多いが、今回は建築家木村得三郎氏設計の国の登録重要文化財である弥栄会館の一部を保存活用される。国の重要文化財と言うこともあって、観光客にとってはホテルの提供するソフトだけでなくライト館との折衷と言うハード面にも興味津々な事だろう。ノーベルやアインシュタインの意思を極東より世界に発信する日本国の象徴であり、且つ神道のトップという2つの顔を持ち、世界にたった1人の、しかも2000年以上も続く万世一系のエンペラーが実在する国に相応しく、帝国と言う名の持つ奥深い意味を味わう事が出来る。争いを忘れ束の間の旅行を堪能出来るのもインバウンドに取っては格別な東洋の神秘と映るに違いない。

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