バナー

ワタキューメディカル
ニュース

ホテルリネン業界のつぶやき

2025年01月15日

→メディカルニュース今月の見出しページへもどる

 

 

 - 餅は餅屋 -

 

 いよいよ2025年1月20日からトランプ劇場第2幕の開幕だ。当の主人公は開催前から派手に宣伝をぶちあげているので年末年始も慌ただしく世界中がそのチケット購入に追われた。しかし、シナリオのない演劇はトランプ劇場の面白さを倍増させる。領土決着を優位に進める為にロシア、ウクライナ双方がラストスパートに入ったが、シナリオ通り戦争が終結しなければ振り回される周辺諸国はどうなるか?シリアのアサド政権崩壊とアゼルバイジャン航空機撃墜によるその後の幕引きにほくそ笑む旧宗主国のトルコ。また、劣勢中国に褒めちぎられ大盤振る舞いした日本が次に突きつけられる外交カードや、昨年から尾を引く見直し総選挙等々、見所は満載だ。

 

 一方、観光業界に於いては、2024年は円安の追い風もあり1~11月累計でのインバウンド数が3,338万人(2019年比105%)、1~9月インバウンド消費額が58,582億円(2019年比122%)と、この水準で行けば2020年に掲げた8兆円に迫る所迄来ている。国別内訳でもTOP5は韓国を筆頭に中国、台湾、アメリカ、香港となり合計占有率で74.5%(2019年は85.2%)と、リスク分散している。しかしながら、2025年はトランプ大統領の保護主義政策によるドル安推進、反日政権による日韓関係の悪化、中国からの新たな反日カード等が懸念され、GDPの大きな伸びは期待出来ない。現在の為替の理論値$=\110からすると、瞬間的な$=¥100も考えられ、不動産投資では円キャリートレード解消による投資引揚げも予想出来る。下手をすると、この3年の稼ぎが全て逆流する事にもなりかねず、総じて争いの後の経済対策が大きな鍵を握る。

 

 経済と聞くと多くの人が漠然としたイメージを持っている。これには歴史と共に社会の変化する度にその考え方を変えてきている事に原因がある。経済学の存在意義は「社会の富の最適な分配を考え、全体として豊かになる為にはどうあるべきか」を考える学問であるからだ。大学の歴史は12世紀のボローニャ大学、パリ大学に始まるが、当時の学問と云えば神学、法学、医学が中心であった。学問の中でも歴史は浅く古典派経済学は18世紀のアダム・スミスの国富論からスタートする。その後、新古典派経済学、マルクス経済学、ケインズの近代経済学に繋がる。これらの3大思想は全く異なるイデオロギーであるが、夫々にその時代に則し社会に受け入れられた思想である。

 

 今の時代には考えられないかも知れないが、私の学生時代は未だマルクス経済学が主流の大学もあり近代経済学と二分されていた。大学紛争も末期になっていたが、マルクスに傾倒する一部の過激派は赤ヘルにサングラス、ミリタリージャケットというお決まりのスタイルでキャンパスを歩き回り、異様な雰囲気を醸し出していた。1回生の後期試験はマルクス派と大学側との交渉が決裂し、マルクス派の徹底抗戦で学内にバリケードが築かれ試験中止となった。その後もマルクス派の言っている内容が難しかったのでケインズ経済学の方を専攻する事に。お陰様で、4年で大学を無事卒業する事が出来た。ここだけは今でもマルクス派には感謝している。

 

 ところで、日本人でノーベル賞を受賞したのは過去に25人と1団体。全6部門の中に日本人にとって一番縁の遠いと思われる ノーベル経済学賞 というのがある。こちらはノーベルの遺言にはなかった為、オスロではなくストックホルムで授与される、1968年に設立されたノーベル賞の中では一番若い賞である。不幸なことに日本人は自然科学分野には滅法強いが、文系分野では文学賞は過去に2人、経済学賞に至っては世界的にからっきし賞賛されずストックホルムに縁がない様だ。ノーベル経済学賞受賞者は過去に85人もおり、その内58人がアメリカ人である。今の日本の惨状を見るにつけ、もしかすると、あと100年経っても受賞出来ないのではないかと思う程、経済研究に対しては世界的に水をあけられているのが解る。

 

 また、失われた30年の日本の経済政策を見ると、この辺りの温度差が日米経済格差に色濃く反映している様にも思えて来た。最近は日本の国力が弱くなり円安に向かっている等と大手メディアは囃し立てるが、調べてみると2023年の日本の国際経常収支ランキングは世界3位の$150,691百万、第一次所得収支は世界1位$249,397百万、因みに外貨準備高は世界2位$1,294,000百万と堂々たる数値である。2024年税収に至っても78.4兆円と、またしても過去最高を記録する見通しで、世界でも有数の金持ち国家だ。しかしながら、2023年の世界裕福度国家ランキングでは1位アイルランド、2位ルクセンブルク、3位シンガポール…38位日本と大負けしている。因みに国際収支ではアイルランド12位、ルクセンブルク32位、シンガポール6位なのだ。

 

 ところが、既に日本国民の税負担率は47.9%で、なんと江戸時代に徳川吉宗が実施した五公五民制レベルに達しようとしている。これだけ良い数字を挙げながら、プライマリーバランスを黒字にしなければならない、などとステルス増税を実施して未だに国民を欺き続けている。悲しいかな、T大学法学部出身者でなければこの国を牛耳れないと言う頭の固さ故の問題かも知れない。バブル崩壊後に市場から200兆円の資金を引き揚げ、挙句の果てに消費増税を2度も実施する等、狂気の沙汰としか思えない策を平気でやってきているのだ。しかも、ご都合よく財政法第4条を巧みに操り財政出動さえ渋る。大手メディアには代弁者(経済学者)が多数登場するが、これではノーベル賞にお声が掛かる筈がない。これが日本には世界に認められる経済の専門家が不在という証だろう。

 

 元FRB議長のバーナンキ氏が1998年プリンストン大学部長時代に来日し、当時の日銀の緊縮過ぎる金利財政を批判している。「日本がデフレを脱せないのは経済状況のせいではなく、日銀の政策が自縄自縛に陥ったからだ。つまり、自らに招いた麻痺である。」そして、「インフレ目標を追求すべきで、各国が2%程度のインフレを実施する事で為替市場が安定する。」とも説いている。それから四半世紀以上経つが、この国のお役人さんは時代劇の悪代官宜しく、反省の色も見せず改善どころか自らの経済政策の失敗すら認めない。

 

 それもその筈で、ザイム真理教の著者である森永卓郎さんによると、日本政府は1100兆円もの資産を保有しており、特に財務省のお役人が天下りをすると超高給は勿論の事、個室、秘書、専用車、海外旅行、交際費の豪華5点セットが未だに付いてくるそうだ。どれだけ優秀な人でも毒饅頭を食べてしまうと神経が麻痺してしまって国民の生活などどうでも良くなるみたいだ。国民から意味不明な税金を巻き上げて、国の権力者が組織ぐるみで甘い汁をすっているなんて情けない。何処かの覇権国家の汚職を非難している場合ではない。

 私の尊敬する、故稲盛和夫さんの好きな言葉に「人生の仕事の結果=考え方×熱意×能力」があるが、お役人様には「人生」という言葉を「国家」に置き換えて国の舵取りをお願いしたい。

 だから、餅は餅屋に任せるべきで頭の固い法学者が経済を牛耳るのはナンセンスと世界は見ているのだろう。

 

 その後バーナンキ氏は2022年にノーベル経済学賞を受賞している。大恐慌時に何故恐慌が激化、継続したかを歴史的に解明し、学問的知識をその後のFRB議長として政策の実践に活用。世界的に恩恵をもたらした事が受賞理由だ。経済学は自然科学分野とは異なり、真理であるか否かの評価は確定されず、科学性を重んずると共に実社会に役立つ。ノーベル賞の設立によって、個々の経済学者が具体的なテーマに於いて新しい知識を世界にもたらし、人類にどう役立っているかを正当に評価する機会を与えてくれるようになった意義は大きい。アメリカの教育法はプラグマティズムにも通ずる。

 自分で問題を考え、考えた結果をどの様に自分の文章で表現するか、何か有用な問題を見つけ出しその解決法に集中する。

 

 幸いにして日本にも自然科学分野で世界に評価されている学者が多数いる。ノーベル賞だけでなく、ユニークなイグノーベル賞にも日本人は2007年から14年連続で受賞している。こちらも自然科学分野に強い。そう考えると世界レベルの経済学者を日本から輩出するのも不可能ではない、自然科学分野には活躍された優れた先達のお手本=「考え方」が多数残存しているからだ。その為には経済も同じく国民の為に創造して新しいものを作り上げる事が必要なのである。

 詰め込み教育による偏重を改め、自分で考えて結論を導き、ひいては世界の人々を幸せにする事が今の世の中に必要とされている考え方なのだ。偏ったプライドに固執して脳味噌が陳腐化する前に、頭の中身を綺麗に一掃して根本的な知の改革を行い世界の人々に富を最適分配出来る頃、日本にも一人くらいはノーベル経済学賞の受賞者が居てくれることだろう。

ヘルスケアNOW
ワタキューセイモア株式会社

ワタキューメディカルニュースの最新情報をメールで受け取れます。

下記の個人情報の取り扱いについて同意のうえ、登録フォームへお進みください。

■お客様の個人情報の取り扱いについて

1.事業者の名称

ワタキューセイモア株式会社

2.個人情報保護管理者

総務人事本部 本部長

3.個人情報の利用目的

ご入力いただいた個人情報は、WMNメール送信のために利用いたします。

4.個人情報の第三者提供について

法令に基づく場合及び本人ならびに公衆の生命・健康・財産を脅かす可能性がある場合を除き、ご本人の同意を得ることなく他に提供することはありません。

5.個人情報の取り扱いの委託について

取得した個人情報の取り扱いの全部又は一部を委託することがあります。

6.保有個人データの開示等および問い合わせ窓口について

ご本人からの求めにより、当社が保有する保有個人データの開示・利用目的の通知・訂正等・利用停止等・第三者提供の停止又は第三者提供記録の開示等(「開示等」といいます。)に応じます。

開示等に関する窓口は、以下の「個人情報 苦情・相談窓口」をご覧下さい。

7.個人情報を入力するにあたっての注意事項

個人情報の提供は任意ですが、正確な情報をご提供いただけない場合、WMNの送信及び最新情報などのご案内が出来ない場合がありますので、予めご了承下さい。

8.本人が容易に認識できない方法による個人情報の取得

クッキーやウェブビーコン等を用いるなどして、本人が容易に認識できない方法による個人情報の取得は行っておりません。

9.個人情報の安全管理措置について

取得した個人情報の漏洩、滅失または毀損の防止及び是正、その他個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じます。

このサイトは、(Secure Socket Layer)による暗号化措置を講じています。

ワタキューセイモア株式会社

個人情報 苦情・相談窓口(個人情報保護管理者)

〒600-8416 京都市下京区烏丸通高辻下ル薬師前町707 烏丸シティ・コアビル

TEL 075-361-4130 (受付時間 9:00~17:00 但し、土日・祝祭日・年末年始休業日を除く)

FAX 075-361-9060