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ホテルリネン業界のつぶやき

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 ~クール ジパング~

 

 今年のMLBワールドシリーズは43年振り12度目となったヤンキースとドジャースとの東西名門対決をドジャースが制して幕を閉じた。大谷、山本両選手が待望の世界一を獲得し、日本中の野球ファンも待ち望んでいた劇的な瞬間を見届ける事が出来て興奮の余韻は未だ覚めやらない。

 一方、ここ日本では「王さーん!」、「張さーん!」。残念ながらこの掛け声はV9時代のジャイアンツではなく最近の病院で看護師が呼ぶ中国人患者の名前なのだ。確かに日本の病院に中国人患者が凄く増えてきているのを実感する。中国のSNSで不動産会社が日本の健康保険制度をPRし日本への移住に関心を持たせているのも一因だ。

 

 日本には「経営・管理ビザ」があり、500万円の投資で会社を設立してこれを取得すれば、家族も呼び寄せて日本の福祉制度にあやかる事が出来るケースが散見されている。役員報酬も低く抑えれば納付する保険料も月々数千円で済み、高額医療費制度を利用して安価で高額医療を受ける事も可能になる。また、日本で出産すれば「タダ」で産めると計画的に来日して出産し「出産育児一時金」を外国人に悪用される等、公的医療保険への関心が高まっている。更に、医療保険制度で低価格に抑えられている処方箋薬の横流し等、医療保険制度の維持存続に関わる問題は山積みである。

 

 少し前の話だが、2021年に沖縄の無人島屋那覇島を中国人女性が購入したというニュースが流れたが、その後、彼女の親戚の法人である中国系不動産会社に所有権移転登記されたとの事。沖縄は只今インバウンド需要を背景に島外から入ってくる資本で県全体が不動産バブル状態になっている。

 また、最近では瀬戸内海の無人島を購入する中国人も現れ、クルージングで一儲けを企んでいるらしい。

 どうも北海道ニセコの不動産取引で成功した外国資本をモデルに日本の観光産業への投資意欲を強めているらしいが、問題はいとも簡単に不動産を購入出来る日本の制度にある。

 

 また、最近では外国人運転のレンタカーによる交通事故が増加しており、今年も7月迄に440件発生。

 昨年1年間で458件だから発生率は前年比200%の勢いだ。最近のインバウンドの傾向が「爆買い」から「コト消費」へシフトしている事もこの数字に符合している。何せ日本人では考えられない程安易な方法で、世界100ヶ国で運転が可能なジュネーブ様式国際運転免許証の取得が可能なのだ。「外国免許からの切替え」制度を利用すれば、僅か10問中7問正解で合格に。また、滞在ホテルや知人宅住所で「一時帰国(滞在)証明書」を受ければ申請が可能になる。日本の道路標識や交通ルールも解らない外国人運転は「物騒な刃物同然」だ。いくら インバウンド様様 といいながらも、日本人が積み立てた保険金や血税をかすめ取る様な行為を見過ごしていても良いのか?

 

 「クールジャパン」と云う言葉をよく耳にするが、そもそも日本の国策であるクールジャパン戦略に於いて使っている言葉で、外国人にとってクール(かっこいい)と捉えられている日本の製品、コンテンツ、文化群に総称して使える言葉で、世界からクールと捉えられる日本の魅力の事だ。情報発信、海外への商品・サービス展開、インバウンドの国内消費の各段階をより効果的に説明し世界の成長を取寄せる事で日本の経済成長に繋げるブランド戦略になっている。

 

 御多分に漏れず小職もNHK番組のCOOL JAPANで様々な地域の外国人目線で新たな日本発掘を吸収している。Cool Japanを意識する事で日頃何も考えずに街を歩いていたり、食事をしていたりした事象に斬新さが加わって日常生活の楽しみ方が増してきた。廃れていた町がインバウンド目線のお陰で蘇ったり、廃れていたお店が行列を作る店に変貌を遂げたりと、日本人にも日々サプライズを与えてくれるのを目の当たりにすると、オーバーツーリズム問題の一方でインバウンドがCool Japanを発掘してくれるのは日本の経済成長に役立っているとつくづくその有難さを実感する。

 

 と、「cool」と云う言葉は良いイメージで使用されるケースもあるが、これらはCoolでも未熟でAmazingなJapanを3つも発見されてしまった。医療保険制度、不動産取得規制、国際免許の3つだ。3つとも共通するのは規制の緩さ。外国人との歴史・文化の違いが影響していると思われる。日本で当たり前になっているとは思えないが、これはちょっと やりすぎだろう? と信じがたい。外国人からすると日本のこれ等の無防備さは呆れる程のcoolらしく、これを悪用する外国人が後を絶たない。新聞やニュースで大きく取上げられない理由があるのだろうが、行政も積極的に取り締まらないから日本からの資産流出に繋がっている。こんな事を野放しにしていると右翼台頭のお膳立てにも繋がる危険行為である。

 

 相変わらず国際感覚のズレを見るにつけ、古来、刀伊の入寇、元寇そして19世紀の黒船来航等、極東の島国日本は宮廷や幕府内の権力闘争に明け暮れ国境警備には無防備で、外敵に襲撃されて初めて危機感が高ぶるくらいの平和な国であった事が良くわかる。16世紀の日本では、ポルトガル船が日本の若者を奴隷として国外に連れ去るという出来事があり、これを咎める豊臣秀吉にイエズス会の宣教師ガスパール・コエリョは「ポルトガルが日本人を買うのは日本人が売るからであって、それを国法で禁止すれば良い。」と回答したと云う。

外国人の秩序からすると、「それを売る日本人が悪い」、「それを許す制度が悪い」と云う事らしい。

 

 似たような感覚であるが、子供の頃、親から「人の物を盗んではいけません。」と教育されるのは日本人で、外国人の親は自分の子供には「人に物を盗まれない様に気を付けなさい。」と教育するらしい。前者は平和な国・日本=遵守免責の国、後者は自己責任の国。但し、世界中何処を見回しても遵守免責なんて国を聞いたことがない。軍隊を持たない無防備な国、されど世界でも類を見ない安心安全な国。

 つまり、マルコ・ポーロ『東方見聞録』に伝えられている、カタイ(今の中国)の東の海上1500マイルに浮かぶ黄金の独立した島国。”That’s Zipangu.” 故に、世の中の現実を回避したいインバウンドにとってここはユートピアなのだ。観光遺産だけでなく、日本の文化、制度にも魅力があると云う事を皮肉にも理解出来た。

 

 米中貿易戦争、ロシア-ウクライナ戦争への北朝鮮の派兵、そして今度はイランも巻き込んだユダヤ-イスラム宗教戦争に迄発展しそうな暗雲が立ち込めている。相変わらず尽きない紛争に対して「核には核で応じるしかない」という発想からの転換を促す為に贈られた日本被団協のノーベル平和賞は、暗に国連の統率力低下への警鐘かも知れない。戦争回避の為、アインシュタインに宛てた手紙の中でフロイトは「法による支配」の重要性を説いている。

古くは彼のハンムラビ王も法典を出すに至った背景には、平和な世界を実現する為には「公平な罪を与え、過度な復讐を抑止する」法による統治が必要と考えられたようである。

 

 さて、極東の平和な国日本では漸くホットな衆院選が終わったかと思いきや、憲法54条に則り30日以内に国会が召集され、憲法67条に基づく首相指名選挙に向けて各党首が「花いちもんめ」に凌ぎを削っている真っ最中であるが、今迄に法案を強行採決してきた与党にとって15年振りに過半数割れで終了した意味合いは大きい。

 これ迄真面目に議論もされず先送りにされてきた多数案件の審議もさることながら、国民の為に各党が掲げる政策をベースに国会で熱い論戦が展開される事を期待したい。もっとも、ザル法のメンテも怠りなく、しっかりと議論して国民の財産流出阻止の足場固めを忘れずに。