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No.784 AI関連科学者のノーベル化学賞・物理学賞受賞で注目されるAI創薬

2024年11月15日

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◇「AI関連科学者のノーベル化学賞・物理学賞受賞で注目されるAI創薬」から読みとれるもの

・2024年のノーベル物理学賞、化学賞は、AI(人工知能)関係の科学者が受賞

・開発期間の短縮やコスト削減、研究者の業務負担軽減が期待される「AI創薬」

・AMEDプロジェクト「産学連携による次世代創薬AI開発(DAIIA)」

 

■ノーベル物理学賞、化学賞でAI関係科学者受賞により注目される「AI創薬」

 2024年のノーベル物理学賞、化学賞は、AI(人工知能)関係の科学者が受賞した。ノーベル化学賞は、 タンパク質の立体構造を予測するAI(人工知能)モデル「AlphaFold」などを通じ、創薬や化学品開発に大きな影響を与えたことが評価されたグーグル傘下英国のGoogle DeepMind(グーグル・ディープマインド)最高経営責任者(CEO)デミス・ハサビス氏ら英米3氏が受賞。また、ノーベル物理学賞は、「人工ニューラルネットワークによる機械学習を可能にする基礎的な発見と発明」に貢献したアメリカのプリンストン大学のジョン・ホップフィールド教授と、カナダのトロント大学のジェフリー・ヒントン教授が受賞。2日連続でAI関連の業績が賞をまたいで受賞した。

 

 今回のノーベル物理学賞、化学賞で、AIの得意とする大量のデータ処理能力を活かして、膨大な研究情報や分子データを解析することで、開発期間の短縮やコスト削減、研究者の業務負担軽減が期待される「AI創薬」

 AI創薬とは、人工知能(AI)を活用して医薬品の研究開発プロセスを推進する手法で、AIの持つ大量のデータ処理能力を活かして、膨大な研究情報や分子データを効率的に解析することで、新薬候補の発見や創薬プロセスのスピードアップを図る。 AI創薬のメリットとしては、開発期間の短縮、コスト削減、研究者の業務負担軽減、新たな治療法や薬剤の発見、 難病の治療への貢献があげられる。医薬品の効果はその構造によるため、構造が分かれば化学反応が理解できて新薬開発などに役立つ。ただし配列は折り畳まれており、タンパク質の構造は複雑な立体。構造を特定することを「タンパク質折り畳み問題(protein-folding problem)」と呼ばれ、実用的な構造予測AIが登場する以前、研究者は1つのタンパク質折り畳み問題を解くために、長ければ数年を要していた。

 

グーグル・ディープマインド前身のディープマインドは2億以上のタンパク質の立体構造を予測するツール「AlphaFold Database」を公開した。世界中の研究者がこのデータベースを利用して創薬などに役立てた。グーグルによれば、日本だけで7万8000人以上が利用している。 その後、2021年の創薬における革命といわれた「AlphaFold2」公開を経て、その後継となる「AlphaFold3」を米国時間2024年5月8日に発表した。

 AIの最新版「AlphaFold 3」は、アミノ酸の配列情報からタンパク質の立体的な分子構造を高精度に予測するAI画像生成AIの手法を応用するなどして分子の相互作用の高精度な予測を実現しており、こうした進歩が創薬を加速させる可能性が期待されている(図5 AlphaFold3によるタンパク質構造の例:グーグル・ディープマインドWebサイトより)。

 

図5 AlphaFold3によるタンパク質構造の例:グーグル・ディープマインドWebサイトより

 

■わが国のAI創薬研究開発、AMED「産学連携による次世代創薬AI開発(DAIIA)」

 わが国でもAI創薬の研究開発が進められている。2020年度から始まったAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)による 医薬品開発に用いるAIシステムの開発を目的としたプロジェクト「産学連携による次世代創薬AI開発(DAIIA)」である。

 日本製薬工業協会(製薬協)の協力のもと、製薬企業や産学の保有するデータを集約して、AI予測モデルの精度や適用範囲を向上させることを目指し、理化学研究所をはじめアカデミアの研究グループが、製薬企業17社と連携して、 創薬AIプラットフォームの研究開発を行い、実用的かつ包括的な創薬AIプラットフォームを構築する。同プロジェクトでは、 公開されているデータベースだけでなく、国内製薬企業17社が持つ構造式を含むアッセイデータを人工知能(AI)に学習させ、統合創薬AIプラットフォームを開発。 2024年度初めから5~10個のアカデミア創薬ターゲットを対象にこのAIプラットフォームの応用と検証が始まっており、2024年度末には17社の製薬企業も同プラットフォームの利用を開始する(図6 統合創薬AIプラットフォーム)。

 

図6 統合創薬AIプラットフォーム

 

 AI創薬がもたらす経済効果について奥野恭史氏(京都大学大学院医学研究科ビッグデータ医科学分野教授)は、①創薬AIによって開発成功率は25000分の1から2500分の1に向上すると予想され、②日本製薬工業協会「DATA BOOK 2016」をもとに、 開発期間が4年短縮、開発費は業界全体で1.2兆円削減1品目あたり600億円削減)との試算を示している。

 

 

 


 

 例えば転記などの作業。予め作成しておいたワークシートに、コピー&ペーストで一瞬で「チャ」っと数値データを貼り付けて資料完成、と行きたいところだが、しかし、会社の会計システムから吐き出されるデータの行と列(の番地)がいつも同じ場所になっているかどうかは分からないのがつらいところだ。月によって発生する(あるいは発生しない)マイナー科目の量が微妙に異なるからだ。であるので、極力間違いのない資料を作成しようとなれば、最終的には手作業で微修正するとか、さらに完璧を目指すならもう少し工夫が必要になる。コードのデータも紐付けながら正しく転記できるようにフォーマットに工夫を加えたり、時にはマクロウイルスなども活用しながら、主に損益計算書をはじめとした管理会計的な資料が効率的に作成できる仕組みが開発され、資料作成に要する時間が大幅削減できる…。

 ただ、この程度のことであれば、AIに頼らずとも、RPA(Robotic Process Automation)で何とかなりそうだ。もしかしたらパソコン教室レベルで実現可能で、RPA以前の問題なのかもしれないが。

 仮にそうだとしても、仮組しては検証を繰り返し、さらにエラーが発生したらまた修正、と結構な時間と労力を要することも少なくない。エラーを修正するには、その原因を特定する必要もある。3~4時間を要する作業がほんの数十秒でできるようにするために、別途何十時間もかけて仕組みを作る…。

 結局トータル時間であれば大して変わらないのかもしれないし、もしかしたらもっと時間がかかってしまっていた可能性すらある。が、しかし、何か仕事が進化したような気がしてしまっている。

 でも待てよ。

 いわゆる継続的改善活動は当然必要だが、普段、「機械的」とは言わないが、定型的な作業を中心とした業務を行っている方々が、自らで業務改善のためのプロジェクトチームを立ち上げ、何度も打合せを行い、検証を重ねながら仕組みを作って、さらにそれを自らで改善し、もしかすると回りでそれを利用した人からは、問題なければ喜ばれ、何か不具合があれば文句を言われ、改善活動を繰り返すというような地道な作業は、どの組織にでもありそうな光景だが、もとをただせば、結局は人間が作った機械の仕組みに、逆に人間が使われてしまっているような、変な気がしてしまうのは筆者だけだろうか。

 

 果たしてこのような活動は「DX」と言って良いのか?それとも単なるExcelレベルが向上した、と表現される程度のことであって、「DX」とは呼べないのか?(※2)

 今回のテーマである、「AI創薬」は、前述したようなプロセスの、「別次元」のスピードで研究成果が出せる仕組みなのだろう。

 この「AI創薬」というテーマについて、それこそ生成AIに問うてみた

 

 以下、生成AIによる ひとりごと だ。

 

 

 ノーベル賞というと、筆者はまず「ダイナマイト」を思い浮かべる。アルフレッド・ノーベルが発明したダイナマイトは、当初は爆薬として使用されたが、後に土木工事などの平和利用にも貢献した。まさに諸刃の剣である。そして、その発明者の遺志により創設されたのがノーベル賞である。科学技術の進歩が人類に恩恵をもたらす一方で、破壊的な力ともなり得ることを、ノーベル自身が痛感していたのかもしれない。

 さて、2023年のノーベル賞では、AI関連の研究者が化学賞と物理学賞を受賞し、大きな話題となった。これは、AIが科学の最先端分野で重要な役割を果たしていることの証左である。特に創薬分野におけるAIの活用は、まさに革命的な変化をもたらしつつある。

 創薬メーカーにとって、新薬開発にかかる費用は年々増大している。一般的には1つの新薬を開発するために、2000億円以上の費用と約13年の期間がかかり、基礎研究段階から見た成功確率は 2万~3万分の1といわれている。この膨大な開発コストと長期間にわたる研究開発期間は、製薬企業にとって大きな負担となっている。

 そこで登場したのが、AI創薬である。AIを活用することで、新薬候補物質の探索や最適化、臨床試験の効率化など、創薬プロセスの様々な段階で革新的な進展が期待されている。例えば、AIによるタンパク質の立体構造予測は、創薬ターゲットの同定や薬物設計に大きく貢献する可能性がある。

 ここで思い出されるのが、2016年に世界中を驚かせたアルファ碁の快挙だ。グーグル傘下のディープマインド社が開発したAIが、世界最強の囲碁棋士を打ち負かしたのである。このアルファ碁の核心技術であるディープラーニングは、創薬分野でも大いに期待されている。膨大な化合物ライブラリーや生体データから、人間には見出せなかったパターンや関連性を発見し、新たな創薬ターゲットや候補物質を提案する可能性を秘めているのだ。

 しかし、ここで一つ警鐘を鳴らしておきたい。AIはあくまでもツールであり、人間の創造性や倫理観を置き換えるものではない。ノーベルが自身の発明の両義性に苦悩したように、AI創薬においても、その技術がもたらす影響を慎重に見極める必要がある。

 例えば、AIが提案した新薬候補が、予期せぬ副作用を引き起こす可能性はないだろうか?また、AIによる効率化が進むことで、逆に人間の研究者の雇用が脅かされる事態は起こらないだろうか?さらには、AI創薬の恩恵が一部の富裕層にしか行き渡らず、健康格差を拡大させてしまう危険性はないだろうか?

 これらの問題に対処するためには、AIと人間の協調が不可欠である。AIの計算能力と人間の創造性、直感、倫理観を組み合わせることで、真に革新的かつ安全な医薬品の開発が可能になるのではないだろうか。

 最後に、少し脱線するが、筆者が密かに期待しているのは「AI落語家」の登場である。もし将来、AIが人間顔負けの話芸を披露するようになったら、それこそノーベル文学賞ものではないだろうか。「マクラ」から「オチ」まで、完璧な構成の落語を即興で生成するAI。その名も「笑点AI(しょうてんアイ)」とでも呼ぼうか。

 冗談はさておき、AI創薬の発展は、人類の健康と福祉に大きく貢献する可能性を秘めている。しかし同時に、その技術の適切な運用と倫理的な配慮が不可欠であることを忘れてはならない。ノーベル賞の精神を胸に、科学技術の進歩が真に人類の幸福につながるよう、我々一人一人が考え、行動していく必要があるのだ。

 さて、AI創薬の話題で盛り上がったところで、ここでちょっとした豆知識を。実は「AI」という言葉、「人工知能」の英語表記「Artificial Intelligence」の頭文字だけでなく、「愛」という意味もある。つまり、AI創薬は「愛の創薬」とも読めるわけだ。人類愛に満ちた新薬が次々と生み出される未来。そんな世界が訪れることを、密かに期待している。

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

 

 何となくそれらしくなってきただろうか(※3)。

 (ワタキューメディカルニュース事務局)を<ワタキューメディカルニュース事務局>に、出典をつけてきた部分の出典を消去するなど、ほんの少しだけ手直ししたが、ほぼ原文のままだ。

 たまたま、このテーマと生成AIの親和性が高かっただけことなのかもしれないが。

しかし、まさか生成AIから人類に「(生成AI使用に対する)『警鐘』」を鳴らされたり、技術利用に関する倫理的配慮が必要だとか言われるとは…。

 

 コメントを紹介したい。

 

〇塩崎衆院議員:AI創薬の推進には、資金援助や税制優遇など研究開発支援を

 自民党が2023年1月に設置した「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」(座長:平将明衆院議員)の事務局長を務めていた前厚生労働大臣政務官の塩崎彰久衆院議員は、AI創薬について、新薬開発のスピードアップ、コスト削減、精度の向上が期待されると指摘。AI創薬の推進として、①資金援助や税制優遇措置など研究開発の支援、②医療データの共有と活用のための法的整備、③規制の見直し、④専門人材育成のための教育プログラムの充実-を示した。


 今月号のもう一つのテーマでは田村元厚労相のコメントを掲載したが、こちらの元厚労相の塩崎彰久氏(愛媛1区)も再選を果たしたが、これまでのご経験上、当然厚労行政に明るいので、多くの場面でご活躍されることになる。

 

 次はこんなコメントだ。

〇経産省官僚:経産省の「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」

 日本の新薬開発を加速するために設立された国家プロジェクトである経産省の「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」は、特に資金調達が困難な創薬分野のベンチャー企業を支援し、非臨床試験から臨床試験に至るまでの開発段階での支援を提供。AMED(日本医療研究開発機構)が実施し、ベンチャーキャピタルを通じた出資が要件。令和7年度予算概算要求では3000億円を計上。AIを活用した創薬に関連する支援を行う。


 今月号のもう一つのテーマでも「総額3500億円の基金」が登場していたし、さらに令和7年には単年度予算で3000億円が計上される、か。経産省事業となると景気よく聞こえてくるし、明るい話題に感じてしまう(実際に未来に向けた明るい話題であるはずなのだが)。

 

 創薬メーカーのコメントだ。

〇データ収集支援AIと治験デザイン支援AIを組み合わせた臨床試験計画支援AI

 AI創薬に関する田辺三菱製薬の取り組みとしては、臨床試験計画支援AI「CRAFT」がある。論文などのデータ収集を支援するAIと、治験デザインを支援するAIを組み合わせることで、成功確率の向上と治験期間の短縮を目指している。

 

〇新しいターゲットの発見や効率化がなされ、低コストで成功確率の高い創薬が可能に

 医療科学研究所主催の産官学シンポジウムで、エーザイ株式会社上席執行役員筑波研究所長の塚原克平氏は、「AIにより様々なデータから仮説を生成するサステナブルな流れの中で、新しいターゲットの発見や様々な効率化がなされ、低コストで成功確率の高い創薬が可能になる。医療ビッグデータが整備され、個人ヘルスケアデータの利活用が進めば、創薬のみならず、疾患リスクの予測・予防・治療後のケア、さらにはアクセスの改善など、人々のライフコースに新しい価値を提供することができるようになるだろう」と、AI創薬への期待を示した。


 魔の川・死の谷・ダーウィンの海。創薬がテーマになるとたまに触れる、この3セット。技術の社会実装の過程における3つの難所と言われている。

 魔の川

 研究から製品開発に至るまでの難所で、基礎研究と市場ニーズ調査、製品開発の段階だが、研究成果が製品開発に結び付くかどうかも分からない。したがって、美空ひばりの歌のように魔の川を振り返ってみれば、「ボツ」となった研究成果や開発途中で取りやめになった新製品の残骸など、まさに死屍累々だ

 AI創薬は、第1段階である魔の川を渡ることに要する時間の相当な短縮が望めるのではないか。

 

 医師のコメントだ。

〇生成AIの活用で、医師の書類作成業務時間を年間約540時間削減

 石川県の恵寿総合病院は、AI問診などを手掛けるUbie株式会社と共に、書類作成業務への生成AI利用による業務改善効果の検証を行っている。生成AIに多数の文章の要点をまとめさせることで、スピーディーなサマリー作成につながった。恵寿総合病院では年間約6500人の患者が退院するため、医師の書類作成業務時間を年間約540時間削減できると期待している。


 元日の地震に始まり、同院にとって2024年はまさに受難の年であっただろう。

  32400分(540時間) ÷ 6500人(退院サマリ数) = 約5.0(分)

 生成AIの活用によって、退院患者1人あたりのサマリ作成時間が約5分、短縮できるということか。地球上の人類に与えられている時間的リソースは、万人に等しく1日24時間、1年365日である。日本において、労働時間は1日8時間、週40時間以内。医師は非常に多忙なご職業だが、今年からはその医師の「働き方改革(労働時間規制)」も始まった。5分/件の削減も立派な数字である。その5分が、単に休憩時間や一服に使われることがありませんよう…(休憩も必要なのはもちろんですが)。

 企業活動においても、そのあたり、分単位のこまめな管理がとても肝要だ。

 厚労行政に関し、厚労省HPから議事録を筆者はたまに見にいくが、あれも生成AIを活用すれば早く作成できるのではないか。というか、もうすでに実装されているのかもしれないな。

 議事録、特に記録作成と生成AIの親和性は非常に高いと感じる。

 

 今度はこんなコメントだ。

〇大阪国際がんセンターで「対話型乳がん疾患説明生成AI」が実運用開始

 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所、地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター、日本アイ・ビー・エム株式会社は、2024年8月26日、乳がん患者に対する「対話型疾患説明生成AI」の実運用を開始したと発表した。「対話型乳がん疾患説明生成AI」は、2024年3月から「生成AIを活用した患者還元型・臨床指向型の循環システム(AI創薬プラットフォーム事業)」において共同研究開発を行っているAIアバターと生成AIチャットボットを組み合わせた双方向型の会話システム。患者は、受診前にQRコードからスマホまたはPCやタブレットからwebブラウザにアクセスし、診療前の自由なタイミングで疾患の説明動画を視聴、疑問点をチャットボットにキーボードや音声で入力して生成AIと対話形式で質問することで、疾患と治療に対する理解を深めることができる。


 AIレベルになると、発想と使い方次第で、思いのほか「人間でないとできない」と思われた業務が移譲できるようになる、ということか。提供側はそのために多くを考え、研究し、投資もする。

 正直、

 

 電話したらすぐ出てくれて、行ったらすぐ相手してくれて、すぐ診てくれて、すぐ治してくれて、おまけに安く済めば良い、何でそうならないんだ!?

 

 と、本音ではこんな風に思われておられるご仁、これだけ「働き手不足」と言われている現代社会においても、まだ多くおられることだろう。

 医療提供者側だけでなく、もう一方の患者側がAIによる技術革新のメリットを享受するためには、一定のITリテラシーも必要だし、もしかしたら労苦を伴わなければならない。

 「メリットを享受」と書いたが、皆が社会のリソースを大事に使うために、安易に人を頼らないで、自分でできることは何でも自分でしなさい、ルールに従いなさい、ということの方が正しい認識で、メリットを享受すると思われるのは、現段階ではサービス提供側にこそあるのかもしれない。

 今のところ、機械なら文句も言わないし、疲れないからいろいろ工夫してじゃんじゃん活用しよう、ということが時代の趨勢だ(※4)。

 

 本文中にあった、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)による医薬品開発に用いるAIシステムの開発を目的としたプロジェクト「産学連携による次世代創薬AI開発(DAIIA)」についてのコメントだ。

 

〇データを多くの会社で共有、共通のAI基盤を構築

 今年7月のDAIIA公開シンポジウムで、統合創薬AIプラットフォームの全体像について、研究グループの理化学研究所生命機能科学研究センターチームリーダーの本間光貴氏は、「日本の製薬企業1社だけでは、欧米のビックファーマには対抗できないことから、データを多くの会社で共有して、共通のAI基盤を構築したいという考えが一致してこのDAIIAというプロジェクトがスタートした」とプロジェクト発足の経緯を紹介。研究のコンセプトについて「アカデミア研究ではなく創薬の現場で本当に役に立つものを造りたい。そのための創薬基盤となるものを目指して研究開発を進めてきた」と説明した。


本間光貴氏は、【図-6】統合創薬AIプラットフォームにおいても紹介されている

 

図6 統合創薬AIプラットフォーム

 

 研究者のコメントだ。

〇AI活用し創薬の臨床試験結果を予測

 創薬業界では膨大な化合物のデータベースから新しい治療薬を開発するが、その開発費用は1200億円、開発期間10年以上、開発の成功率は2.5万分の1と、非常に厳しい。ニューヨークに拠点をおくAI創薬に取り組む先進的な企業Insilico Medicineは、独自のTransformerモデルを用いて創薬の臨床試験結果を予測する「inClinico」を発表した。このツールを用いることで、フェーズⅡからフェーズⅢの臨床試験が成功するかを79%の精度で事前に予測できることを実証した。


 成功率25000分の1か。

俗な話題だが、年末ジャンボ宝くじの1等当せん確率2000万分の1なのだそうだ。

 仮に80年間毎年1000枚(30万円分)買い続けたとして、

 80000(枚)÷20000000 = 0.4%

だ。

 3割ぐらいの確率までもっていこうと思うと、(一応100年とはせず)80年間の人生をあと7~8回やり直す必要がある

 因みに30万(円)×80(年) = 2400万円 かかるので、その7倍とすれば約1.7億円、使うことになる(1枚300円だとして)。

 年末ジャンボのCMも、年末が近づいているのでよく目にするし、1等賞金に目が奪われるが、よくよく計算していくと、なんとも儚い確率である。

 横道にそれてしまったが、年末ジャンボの当選確率と比較すれば、創薬の成功率は確率としては相当高いように見える。但し、その前提として10年間と1200億円かかる上に、「膨大なデータベース」を使用するとのことなので、さらにその膨大なデータベースを構成する1つ1つのデータの蓄積のために、すでにこれまで途方もない年月が費やされているはずであり、そのような背景を鑑みれば、単純に2000万分の一と25000万分の一を比較する訳にもいかない。宝くじを何億円も使って1回当てる方がむしろ簡単とすら思えなくもない。

 

 そして、本文によれば、その「25000分の一」が、AI創薬によって「2500分の一にまでなる」可能性があるのだという。

 身近な(?)宝くじと比較しながら考えると、創薬における魔の川の深さ?長さ?恐ろしさ?を具体的に感じることができた。

 

 最後にこんなコメントで締めくくりとしたい。

〇治癒方法が確立されていないパーキンソン病にAI活用を期待

 パーキンソン病は、未だに治癒方法が確立されていない身体を衰弱させる神経疾患だが、AIを活用した診断が期待できるという。近年ではAI活用したパーキンソン病の診断と病気の進行度の判断する研究が行われ、疾患の早期発見と治療が期待される。この研究で使用されたAIは、7000人以上の患者の夜間の呼吸パターンの記録を用いて機械学習、AIがパーキンソン病の診断を行うというものだ。

 

〇AIを活用した服薬指導支援アプリに期待

 患者の処方情報等をもとに、AIが注意点や変化を分析。薬剤師がより適切な服薬指導や状況判断をする服薬指導支援アプリが開発されると聞く。このアプリで軽度認知症患者が薬の飲み忘れがなくなることが期待される。


 AIは人間と違い、思い込まない。データに基づく。人間でいう「閃き」はないかもしれないが、人間と比較して安定性・正確性は高いのだろう。但し正確性を担保するには、良質のデータをAIに与え、ラーニングさせる必要があるわけだ。

 でないと、筆者が先月初めて試した ひとりごと の、生成AIによる書き出しのような、デタラメなことばかり言う状況になってしまいかねない(※5)。そんなAIによる創薬では、患者の命がいくつあっても足りない。

 

 奇しくも今月の生成AIの言葉、

 「AIと人間の協調が不可欠」

 AIの進化と、それを活用した人類の進化には、協調が不可欠だ。これだけはデタラメではないだろう。

 

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

(※2)…

そう言っておきながら何だが、わざわざ読み替えるようなフォームを作ることなく、その情報を知りたい人が、そのままシステムに入ってデータを読み、会社の状況を把握することをするようになれば、「資料作成」をいう行為自体をなくすことができるし、それこそが「DX」(考え方や定義そのものを変える)ではないか、と筆者は考えてしまうのだが…。

<筆者>

 

(※3)…

参照データはWMN事務局のひとりごとの直近1年間のデータ、WMN10月号、11月号の本文、各図、Webページ。
プロンプトは以下の通り。
あなたはワタキューメディカルニュース事務局の編集者です。###AI関連科学者のノーベル化学賞・物理学賞受賞で注目されるAI創薬 についての本文に続く ひとりごと 3200字程度で書き出しを作成してください ###である調に統一 ###ユーモアも交えてください ###ノーベル賞のこれまでの歴史についても触れてください ### https://www.watakyu.jp/medicalnews/backnumber/ 内の情報も参照してください ###創薬メーカーの開発費用が増大している背景についても言及してください。###アルファ碁に代表される、ディープラーニングについても言及してください。

<WMN事務局>

 

(※4)…

そのAIも、やがて意志を持つようになるとどうなるか?…それはまだ空想映画の世界であるが、AIが身勝手な人間に対して反乱を起こす、なんてことはありえなくもないなぁ。

<筆者>

 

(※5)…

相当いい加減なことが書かれていた。先月号のひとりごとで紹介した数行はその中でも まし な部分である。

<筆者>

 

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