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ホテルリネン業界のつぶやき
2024年10月15日
~仁王様~
漸く暑さも納まってきたと思ったら、次はHOTな政策論争で衆院選に突入する。国境付近でも北朝鮮のミサイル発射や中国・ロシアの相次ぐ国境侵犯による頻繁なスクランブルで日本列島は相変わらず賑やかで熱が冷めない。そんな中で今度の石破新内閣に防衛大臣経験者が4名も睨みを聞かせているのが面白い。国内問題を棚上げして日本に牽制球を投げる事で国民の意識を外に向けさせている国はどう切り返そうとしているのかと選挙後の動向も見ものだ。
8月は台風の影響でインバウンドが3百万人を超えなかったが、街を歩いていると9月も順調にインバウンドが増えている感じだ。但し、先日星野リゾートの星野社長がニュースで解説していたが、直近でインバンドの恩恵を受けているのは大都市圏のみで、東京、大阪、京都、北海道、福岡だけで79.5%を占めており地方には殆ど恩恵が届いていない様だ。という事は、その他都道府県では設備投資をすれば未だインバウンド受入れ余力はあると言う事になる。
しかも、国内観光客も一部の日に集中する為、7割以上が非正規雇用、人材の低定着率、投資力不足に繋がり大きな市場を持ちながらも経済成長を妨げているとぼやいていた。執拗に強調されるのは目下、オーバーツーリズム対策だ。フランスでは既に大型連休の地域別取得が制度化されているが、日本の整備は未だこれから。制度確立に向けて解決せねばならないハードルは多数立ちはだかっているが、そこは地方創生を第二次安倍内閣から担当していた新首相に期待したい。俄かなのかも知れないが、観光業界に後光が差している様な気がする。
石破新首相の所信表明では嘘つき内閣とか、掌返しとか野党から非難されているが、唯一防災庁を創設する案だけば賛同出来る。新型コロナ、SARS、MARSでパンデミックも経験したが、どうも10年周期で日本には何らかの大きな災害が飛び込んでくる。こんなに災難が多いのでは、此等を避けるのではなく災害が降り掛かるのを前提として共存しながらも上手く対処する方法を前向きに講じた方が良いのではないかと最近はつくづく思うようになってきた。
日本列島に災害が多いのは日本人には当たり前になっているが、インバウンドには恐怖に映る筈。台風はある程度進路を読んで避ける事は可能だが、地震に至っては全く予知出来ない。半ば遭遇したら事故と開き直っている外国人がそれでも日本に魅力を感じて来日してくれているのは大変有難い。
災害を未然に防ぐのは困難であるが、迅速な災害救助、復旧・復興こそが今後世界TOPクラスの観光立国に要求されるテーマになるであろう。
災害状況を世界に配信し同情を集めるよりも、それを逆手に取って被害を最小限に留め、然も迅速に復旧するノウハウを身に着ける事でインバウンドは疎か国内観光客にも安心感を与え早期に被災地を旅行する事も可能になる。ひいては経済活動にダメージを与えることなく早期復興で返って安全で安心して旅行を楽しめる国というプラスイメージがつき、GDPを押し上げる要因にも貢献するだろう。
観光産業を折角この短期間にここまでの規模に育て上げ、周到な裏付けを以て更にこの倍のレベルに伸ばそうという青写真迄出来ている。獲得外貨に至っては自動車産業を遥かに上回る30兆円が見え隠れする。そういう将来性のある産業を目の前にしても政府は2025年にプライマリーバランス黒字化を目標とした緊縮財政を行おうとしている意味が理解出来ない。こう言う時こそカンフル剤としての国債を発行し需要を創出してインフラ整備等に投資して来る次の災害に備えておく必要があるのではないか。
外貨獲得の有力手段である自動車、半導体に続く第3の収益基盤が漸く現実を帯びてきた。この産業を活かすも殺すも政府の考え方次第である。経済活動には資本増強は不可欠であり、需要創出し投資する事で生産性が向上し国民が豊かになる。これが資本主義社会の本質である。観光産業に於ける追加需要は日本人の9倍も消費してくれるインバウンドが齎してくれる。コロナ禍後の材料高騰や人手不足で価格転嫁が出来ず倒産する企業が増加する中、幸いにもインバウンドと言う継続した需要がある限り経済成長が可能である。
松下幸之助さんが「観光は最も大きな平和方策である」と主張していた様に、製品を輸出しても日本を好きにはならないが、旅をしてもらう事で日本を好きになって貰える。お互いの相互理解に繋がり、結果的には平和に通じる。観光への投資は平和への投資なのである。世界の方々に日本を旅して頂き、日本を理解して好きになって貰う。私たちも世界を旅して異国の文化を理解する事で相互理解が生まれ、長期的に平和を作って行くことが出来る。果たして4人の仁王様が周辺国に睨みを効かせて平和を守る事が出来るか?
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