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No.774 2024年度改定で生活習慣病報酬が大幅見直し、どうする?生活習慣病管理料への移行

2024年06月17日

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◇「2024年度改定で生活習慣病報酬が大幅見直し、どうする?生活習慣病管理料への移行」から読みとれるもの

・特定疾患療養管理料の対象疾患から、脂質異常症、高血圧、糖尿病が除外

・生活習慣病管理料への移行迫られる診療所や中小病院

・算定要件の療養計画書作成でキーワードとなる「多職種連携」「医療DXの活用」

 

■特定疾患療養管理料の対象疾患から、脂質異常症、高血圧、糖尿病が除外

 6月施行の2024年度診療報酬改定で生活習慣病関連の診療報酬が大幅に見直された。 外来の特定疾患療養管理料の対象疾患から、脂質異常症、高血圧、糖尿病が除外されたことから、 生活習慣病患者に特定疾患療養管理料を算定している診療所や中小病院経営の影響は大きい。 特定疾患療養管理料を算定してきた診療所や中小病院の移行先としては、生活習慣病管理料や地域包括診療料などが検討される。

 

 2024年度改定では、生活習慣病の増加等に対応する効果的・効率的な疾病管理及び重症化予防の取組を推進するため、 生活習慣病管理料Ⅱの新設をはじめ、生活習慣病管理料の評価及び要件の見直し、特定疾患療養管理料の見直し、特定疾患処方管理加算の見直し、地域包括診療料等の見直し、慢性腎臓病の透析予防指導管理の評価の新設など、大幅な見直しが行われた。 生活習慣病(糖尿病、高脂血症、高血圧症)関連の報酬再編として、特定疾患療養管理料、特定疾患処方管理加算の対象疾患から、糖尿病、脂質異常症、高血圧症が除外され、生活習慣病患者の治療・管理を行う医療機関では、従前の特定疾患療養管理料での対応とは異なる対応が求められる。 厚労省の調査によると、特定疾患療養管理料を算定する際に主傷病(複数記載あり)として記載されていた割合は高血圧が57.7%、脂質異常症が23.9%、糖尿病が16.2%で、この3疾患が大半を占めている。 このため、3疾患除外の影響は大きく、2006年に現在の特定疾患療養管理料の前身の慢性疾患指導料が設定された1958年以来66年ぶりに“聖域”に切り込んだと言える(図5 生活習慣病対策の点数見直し)。

図5 生活習慣病対策の点数見直し

 改定で、生活習慣病管理料について「生活習慣病管理料(Ⅰ)」と改称し、 ①点数の引き上げ(+40点:脂質異常症570点→610点、高血圧症620点→660点、糖尿病720点→760点)、 ②「療養計画書の交付」に関する要件の緩和、 ③診療ガイドラインの参照義務新設、 ④外来管理加算との併算定を認めない、 ⑤「少なくとも1か月に1回以上の総合的な治療管理を行う」要件の廃止、 ⑥長期投薬・リフィル処方箋交付可能な旨の院内掲示、 ⑦糖尿病患者への歯科受診勧奨—などを行った。

 

 さらに、検査を包括しない「生活習慣病管理料(Ⅱ)」(333点/月1回)が新設された。 施設基準は、①生活習慣病管理に関する総合的な治療管理ができる体制を有していること。 なお、治療計画に基づく総合的な治療管理は、歯科医師、看護師、薬剤師、管理栄養士等の多職種と連携して実施することが望ましい。 ②患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、 当該対応が可能であることを当該保険医療機関の見やすい場所に掲示すること。③生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定すべき医学管理について情報通信機器を用いて行う場合に係る厚生労働大臣が定める施設基準情報通信機器を用いた診療の届出を行っていること-となった。

 

■リフィル処方及び長期処方推進の観点から特定疾患処方管理加算も見直し

 処方料・処方箋料の加算である特定疾患処方管理加算の対象疾患からも同様に糖尿病、脂質異常症、高血圧が除外された。 リフィル処方及び長期処方の活用並びに医療DXの活用による効率的な医薬品情報管理を適切に推進する観点から、処方料及び処方箋料の特定疾患処方管理加算についても見直された。 ①28日未満の処方を行った際の特定疾患処方管理加算1を廃止し、特定疾患処方管理加算2の評価を見直す(66点→56点)。 ②加算2は10点引き下げた上で、リフィル処方箋を発行した場合も算定を可能とし、改定後は特定疾患処方管理加算(56点、28日以上の処方またはリフィル処方箋を発行した場合、月1回に限る)に一本化する(図6 リフィル処方及び長期処方の推進)。

図6 リフィル処方及び長期処方の推進

 

 さらに、かかりつけ医機能の評価である地域包括診療料等について引き上げ、かかりつけ医と介護支援専門員との連携の強化、かかりつけ医の認知症対応力向上、リフィル処方及び長期処方の活用、適切な意思決定支援及び医療DXを推進する観点から、要件及び評価が見直された。 具体的には、リフィル処方及び長期処方の活用を推進する観点から、患者の状況等に合わせて医師の判断により、リフィル処方や長期処方を活用することが可能であることを患者に周知することを要件に追加した。

 

 厚労省の2023年度調査によると、前回2022年度診療報酬改定で導入されたリフィル処方箋の発行実績がある医療機関は約4割と半数以上の医療機関でリフィル処方箋は活用されていない。2024年度改定内容からリフィル処方箋を推進したい政府の意向がうかがえる。

 

■生活習慣病管理料移行のキーワードは、「多職種連携」「医療DXの活用」

 生活習慣病管理料への移行に際するキーワードが、多職種連携と医療DXの活用である。 従来の特定疾患療養管理料と異なり、生活習慣病管理料では療養計画書を作成し、患者の求めに応じて交付、医師が説明して患者の同意と署名を得る必要がある。 生活習慣病管理料の算定要件には、「栄養、運動、休養、喫煙、飲酒及び服薬等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行うことを、患者に対して療養計画書により丁寧に説明を行い、患者の同意を得るとともに、当該計画書に患者の署名を受けた場合に算定できる」「療養計画書は、患者またはその家族等から求めがあった場合にも交付し、おおむね4カ月に1回以上は交付する」と記載されている。

 このため、医師の指示などに基づき作成する療養計画の業務負担の増加が懸念される。 業務負担軽減を踏まえ、今改定では生活習慣病管理料への移行を想定し、療養計画書の若干の簡素化も図られている。医師の指示などに基づいて看護師や管理栄養士などのスタッフが事前に書類を整え、最後に医師が確認、患者に説明するまでの流れを確立する業務フローの効率化がポイントとなる。 そこで注目されるのが医療DXを活用した療養計画書作成と多職種連携の情報共有である。

 また、2025年4月から運用開始予定の電子カルテ情報共有サービスを活用した場合、療養計画書の血液検査項目の記載を不要にできる。 さらに電子カルテ情報共有サービスにおける患者サマリーに療養計画書の記載事項を入力し、カルテにその記録や患者の同意を得た旨を残していれば、療養計画書の作成及び交付の要件を満たしているとみなされるなど、生活習慣病の疾病管理に医療DXは欠かせない存在となってきた。

 

 厚労省は2024年度診療報酬改定説明資料の中で生活習慣病関連の疾病管理のイメージについて、「医師が療養計画書の内容について丁寧に説明し、歯科医師や薬剤師、看護師、管理栄養士などが多職種連携で管理。 糖尿病患者には歯科受診の推奨などを行うとともに、リフィル処方・長期処方の活用を促す。疾病管理は診療ガイドラインに基づいて実施し、情報共有に医療DXを活用する」ことを描いている(図7 生活習慣病に係る疾病管理のイメージ)。

図7  生活習慣病に係る疾病管理のイメージ

 今改定の生活習慣病関連報酬の見直しのきっかけとなったのが、昨年11月の財務省財政制度等審議会の「秋の建議」で、診療所は増益で利益率8.3%と好調な経営状況にあると指摘、初診・再診料などの引き下げを要請したことである。 実際は2024年度診療報酬改定で初診・再診料は、医療関連職種の賃上げなどの目的もあり引き上げられたが、財務省等の引き下げの矛先が生活習慣病関連の報酬再編に向かった形となった。 今年5月21日に財務大臣に提出された財政制度等審議会の「春の建議」でも、 「生活習慣病の診療頻度や使用される薬の価格が医療機関によって大きな差があるとの指摘等も踏まえ、生活習慣病や他の疾病の管理の在り方について検討を深めるべき」と主張するなど、生活習慣病をはじめ疾病管理への財政面の圧力は高まっている。

 

 

 


 

 医療業界にとって、2年に一度起こる診療報酬改定は、良くも悪くも大掛かりなイベントだ

  (全体として)プラス改定かマイナス改定か?

  短冊を見ないと分からないが自らの領域にとってはプラスかマイナスか?

  点数の置き換え作業

  点数は増(プラス)かもしれないがハードル(要件)は上がっていないか?

  一つ上のランクを目指せるのか?はたまたランクを下げて減収を余儀なくされるのか?

  請求システムの更新の段取り

  患者への周知

 

 などなど…、もろもろあわただしい時期だ。 例年なら4月からとうに始まっていた診療報酬改定だが、今年から、この時期の慌ただしさを緩和するために(働き方改革の視点があるのかもしれないが)、点数改定が施行されるのは6月からとなった

 いよいよ2024年診療報酬改定のスタートである。

 

 今回は、その改定において「生活習慣病報酬が大幅見直し」されたというのがテーマである。主に診療所は200床未満の医療機関における影響が大きいとみられる内容だ。

 

 コメントを紹介したい。

〇医療課長:「項目見直しにより質の高い生活習慣病管理を行える」

 2024年3月に講演で真鍋 馨医療課長は2024年度診療報酬改定において「特定疾患療養管理料や特定疾患処方管理加算の対象から生活習慣病を除く」など生活習慣病関連報酬の大幅な見直しを行ったことについて、①診療ガイドラインにのっとり、患者と多職種が協働して生活習慣病管理を行うものだ。患者と医療機関とで相談し、患者の納得を得て「どの点数を算定するのか」をきめてほしい。②今回の見直しでは「点数ダウン」が注目されるが、「項目見直しにより質の高い生活習慣病管理を行える」ようになるとも考えている-と説明した。


「質の高い医療」。これを言われるとなかなか反論しづらい。

 

 今度はこんなコメントを。

〇開業医:年間約115万円の減収との試算

 6月から特定疾患療養管理料や特定疾患処方管理加算の対象から糖尿病、高血圧症、脂質異常症の生活習慣病が除かれるが、都内の内科開業医の試算によると、「仮に1日50人の患者がいて、その6割の30人に特定疾患療養管理料を月1回算定しているなら、月20日間の診療で、年間約115万円の減収になる」という。


 現代人と生活習慣病は、切っても切り離せない関係だ。なので健康診断で要精密検査、要治療、となってしまうと、これまで健康を自称していた社会人は生活習慣病予備群とでもいおうか、いわば「病人」となってしまう。

 企業には社員の健康管理が義務付けられ、早い段階での治療で重病化を防ぎ、さらには予防も促進し、本人のため(ひいては企業のためにもなる) というのが最重要だが、副産物として医療費の高騰を防ぎ、保険財源をできるだけ賢く使える、国が企図しているのはこんなサイクルなのだろう。

 

 生活習慣がもたらしたこととはいえ、働き方改革、ワークライフバランスが叫ばれ、社会人一人ひとりにかかる業務負荷は、拘束時間だけを取ればこれからの時代、理屈としては軽くなる。 そうなれば相対的に、生活習慣病予備軍減りそうなものだが、さてどうなることだろう?

 

 仮に、生活習慣病患者は減らない、としても、少子高齢化、生まれた人口は72万人、死亡したのは157万人と、人口は目下過去最高の勢いで減少している「多死社会の我が国である。 「病気の定義」が変わらなければ、必然的に将来的に患者自体も減少することになる。

 「仮に」とはいえ6割か…。仮の話にしても、結構な数である。消えた115万円はどうなるのか?本文中にあるが、

 「今改定の生活習慣病関連報酬の見直しのきっかけとなったのが、昨年11月の財務省財政制度等審議会の「秋の建議」で、診療所は増益で利益率8.3%と好調な経営状況にあると指摘、初診・再診料などの引き下げを要請したことである」

 ので、「診療所の利益率が減」という形で反映されることになるのだろうか?

 

 勤務医のコメントだ。

〇生活習慣病報酬見直しは、患者が健康管理の意識を持つきっかけに

 総合診療科勤務医。今回の生活習慣病報酬見直しにより、医師が一層患者の病態変化を注視し、一方患者も自身の健康について考え、健康管理の意識を持つようになるきっかけとなると期待したい。


「質の高い医療」に向けた理想的なコメントだ。厚労省官僚が聞いたら、どうお感じになられることだろう。

 

 今回の診療報酬改定には、医師の働き方改革、タスクシフティング、加えて働き手不足、もろもろ勘案されながら、もはや魔法の言葉、「医療DX」に関する内容があらゆる箇所にちりばめられている

 

 医療DXについてのコメントだ。

〇患者さんへの医療DXメリットをアピールする掲示>

 内科開業医。6月から新規に診療報酬改定加算算定に伴い患者の一部負担が生じ、患者さんへの説明が医院側負担となる。例えば、医療DX推進体制整備加算について、「当院では医療 DX 推進の体制に関する事項および質の高い診療を実施するための十分な情 報を取得し、それを活用して診療を行っています」と待合室に掲示し、医療DXのメリットをアピールすることにしたが、どこまで理解してもらえるか心配だ。

 

〇医療DX推進はコストがかかる

 中小民間病院経営者。2024年度診療報酬改定では、医療DX推進体制整備加算をはじめ様々な加算が算定できるようになったが、その多くは患者さんへの説明が必要になる。院内掲示が義務付けられ、院内が掲示物で一杯になってしまい、患者側も情報過多で戸惑ってしまう。大手病院ではデジタルサイネージ(駅や店舗、施設、オフィスなどに、ディスプレイやプロジェクターなどの映像表示装置を設置して情報を発信するシステム)を導入して情報提供をしているが、われわれ民間の中小病院はそこまでコストはかけられない。医療DX推進はコストがかかる。

 

〇高血圧治療補助アプリを活用

 内科クリニックの看護師。「医師の診察前に前回までのカルテ内容を確認し、高血圧患者さんには待合室でアプリを紹介するようにしている。患者さんの背景や性格、生活習慣修正に対する意欲などを深く知ることができ、医師にも報告することで診察に役立てている」と、高血圧治療補助アプリ導入のメリットを紹介した。


 極端な時代になったなぁ、と感じる。

 デジタルデバイスに溶け込むことができる人、できない人、しっかりサポートすれば溶け込むことができる人、とにかくそんなものは分からないから、分かる人にやってもらえば良いと思ってしまい、自分では溶け込むことができない人。

 そういったことに対する投資への理解も、経営状況ももちろんあるが、それによって大いに変わる。

 医療DXは、導入前に費用対効果がなかなか見えにくい

 「そこまでコストがかけられない」医療機関は、果たしてどれくらいあるのだろう?

 今改定の医療DXは、「コストがかかる」ということにばかり惑わされず賢明なご判断をいただくことをお願いしたい

 昨年、ある医療系学会で採り上げられたテーマの一つ、「医療DX」。参加した多くの人が確信した。

 「医療DX」は金になる。それだけ点数的な支援もあるということの裏返しだ。

 

 前回の診療報酬改定で財務省と厚労省の折衝の上で導入されたリフィル処方箋。

こちらの推進が図られていないことに財務省は業を煮やしている。今改定にもリフィル処方箋推進に向けた施策がちりばめられている

 

 リフィル処方箋についてのコメントだ。

〇“お薬受診”をしていた医療機関が淘汰

 開業医。いわゆる“お薬受診”をしていた医療機関の淘汰が進むだろう。

 

〇査定で不適当と判断されたら減点される可能性があるなら、リフィル処方箋は発行しない

 内科開業医。医療機関側からすると、いきなり「商品の価格を半額や3分の1にしろ」と言われているようなもので、リフィル処方箋の導入にメリットを全く感じない。査定で不適当と判断されたら減点される可能性があるなら、リフィル処方箋は発行しない。

 

〇高齢者には「リフィル」という言葉の意味が伝わりにくい可能性

 内科勤務医。特に高齢者などには「リフィル」という言葉の意味が伝わりにくい可能性があるので、十分に周知・説明する必要で、説明時間が新たな業務負担となると危惧する。


 筆者が20代の頃、(今とは別の)会社で、営業車で出かける準備をしていると、支店長から「〇〇君!(筆者の名前)」、「ちょっと〇〇病院に行って、ワシの薬、代わりにとってきてくれんかな~?これで足りるやろ?」と診察券とお金も預かる。

 筆者からすれば大先輩なのだが、その先輩がつねに支店長の「パシリ」をさせられていたのだが、うわさには聞いていたものの、その日、ついに筆者にお鉢が回ってきた。

 果たして病院の受付で診察券を出し、薬だけを取りに来た旨を伝えると、怪訝そうな顔をされ、「先生に確認します」と言われたが、結局薬を手にすることができた。そのまま営業先に行きたいところだが、一度会社に帰社せねばならない。

 しょうもない話だが、「これでも売上がいかなかったらいろいろ言われるんだろうな~」とつぶやいてしまう。午前中の予定が「大狂い」である。果たしてこの大狂いで、筆者はどれだけの売上獲得を逃したことだろうか?(笑)

 そこで筆者は「お薬だけ受診」の実態を、身をもって実感した。今は昔である。

 

 「リフィル」という名称より、その使用方法の方周知・説明が難しいだろう。 仰いたい気持ちは分かるが、財務省は現場がそんな業務負担を危惧することなど、想定内なのだろう。 意地でもリフィル処方箋を活用し、約束した(させた)医療費の削減(400億円くらいだったか?)を求め続けてくることだろう

 

 医業系コンサルタントからのコメントだ。

〇生活習慣指導に欠かせない情報の計算を自動で行うなど、「生活習慣病DX」を進める

 生活習慣病管理料の算定において大きな障害になっているのは、診察時間の長さと生活習慣病療養計画書を作成する手間である。厚生労働省の実施した調査によると、1 回あたりの診療時間は平均13.4分、療養計画書作成に要する時間は、平均で初回用19.3分、継続用11.3分にもなっている。 WEB問診による患者の生活習慣状況の把握し、栄養価や目標値等の生活習慣指導に欠かせない情報の計算を自動で行うなど、「生活習慣病DX」を進めることが必須の時代となっている。


 本文中にもあったが、そこも厚労省は想定内だ。

 業務フローの効率化がポイントで、注目されるのが医療DXを活用した療養計画書作成と多職種連携の情報共有なのだ

 医療機関としてはたまったものではないが、しかし背に腹は代えられないし、医師の働き方改革(医師以外)も大きく横たわっている。コンサルタントとしては、ビジネスにつながる領域だ。医療機関との利害関係は、「医療DX」に関しては一致しているのかもしれない。

 

 後発医薬品の推進についても触れておきたい。

〇自民党GE議連が厚労大臣に提言:安定供給へ人材育成など総合的政策を

 自民党のジェネリック医薬品(GE)の将来を考える会(上川陽子会長)は5月28日、不祥事が相次ぐジェネリック医薬品産業の置かれている状況を「過渡期」として、「育て直す」必要性を指摘。安定供給を可能とする産業構造実現に向け、総合的な政策の重要性を強調した提言を武見厚生労働大臣に提出した。このうち、安定供給能力の確保に向けては、「増産体制を強化するだけでは、今後の持続的な安定供給の確保には結びつかない」と指摘。「余剰製造能力を確保したうえでレジリエンスを持った体制の構築を進めるべき」とした。

 

〇卸連会長:流通改善ガイドラインへの対応が卸業界の運命を左右する分水嶺

 日本医薬品卸売業連合会(卸連)の宮田浩美会長は5月30日の通常総会で、2024年3月に改訂された流通改善ガイドラインへの対応が、「医薬品卸業界の運命を左右する分水嶺になる」と強調。総価取引や未妥結・仮納入など過去からの商慣習の抜本的見直しを図るよう求め、会員各社に「自らが変わることが最も重要」と呼びかけた。その上で、「流通改善をやりあげることが医薬品の安定供給につながると確信している。一番大事なことは患者さんに必要な医薬品が届き、治療できることだ」と述べた。

 

〇ジェネリック製薬協会新会長:供給不安を「人員の確保が最大の課題」

 5月28日の定期総会で日本ジェネリック製薬協会の新会長に就任した川俣知己氏(日新製薬代表取締役社長)は、供給不安について個々の企業が増産に努める中で、「人員の確保が最大の課題」との認識を示した。その上で、個々の企業が増産に努める中で、「人員の確保が最大の課題」との認識を表明。せっかく設備投資をしても、これまで三交代でやっている人を新しい工場に配置することで、元々の工場の稼働率が落ちる。従業員の確保が最も喫緊の課題になっている」と述べた。


 推進されながらも、現在後発医薬品については製薬メーカーの不祥事もさることながら、品薄状態が続いていると聞く。そんな中でも後発医薬品の推進の錦の御旗が降ろされることはない。

 

 最後に、患者からのこんなコメントを紹介して締めくくりとしたい。

〇リフィル処方箋は長年の付き合いがあるかかりつけ医による処方が第一

 リフィル処方箋を利用するには、長年の付き合いがあるかかりつけ医による処方が第一だが、都会ではかかりつけ医が見つけにくい。

 

〇2024診療報酬改定で初診・再診料引き上げに伴う患者負担増の説明が不十分

 2024年度診療報酬改定では医療従事者の賃上げのために初診料、再診料が引き上げられ、それに伴い患者負担が増加する。医療介護分野の平均賃上げ率は他業種と比べ低い傾向にあり、人材流出が深刻な問題となっており、報酬が適正化され医療従事者の仕事への満足度が上がれば、患者へのサービスの質も向上すると期待され、患者負担増は致し方ないが、政府による説明が十分に伝わっていない。6月から減税が行われるが、政府の税や社会保険料に関する説明が分かりにくい。


 かかりつけ医、患者一部負担金増、医療財源、働き方改革と働き手不足…。

 「医療DX」という魔法の言葉だけで諸問題が解決できるとは思いがたいが、少なくとも現時点の最善策の一つであることは間違いないか…。

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

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