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ホテルリネン業界のつぶやき

2024年05月15日

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 ~塞翁が馬~

 

 外為市場では市場と日銀の小競り合いが連日繰り広げられ、先月から円安のピッチが加速しあと4~5回しか為替介入の弾がないとか、特にハラハラドキドキでもないのだが、世界に円より安い通貨はアルゼンチンのペソ、トルコリラ、ロシアのルーブルの3通貨しかないとか、このまま行けば円は1ドル200円を超えるとか、はたまた、ハイパーインフレでこの世の終わり見たいな事をマスコミが囃し立てるのでついつい気になってしまう。

 海外では実感した人も大勢いるだろうが、ラーメン1杯¥3,000等とyou tubeやニュースで報道するもんだから、国内に住んでいる日本人までが円の異常な弱さに悲観してしまう。

 経済指標だけ見てこの30年間に日本が強い円で世界と渡り合う努力を回避し安易な近隣救貧化政策に転じた事により徐々に円の実力が失われた等と短絡的な評論家の発言もあるが、それは少し違うと思う。

 

 再三に渡り日米貿易戦争の中で対米自主規制を受入れる事により米国との関係を維持し、ブロック経済が引き起した第二次世界大戦の反省から外国との共存共栄の道を選択した結果が今に至っている訳で、世間に嫌われても相変わらずエゴをむき出しにしている何処かの国の様に、ドラえもんのジャイアンにならなかったのは賢明な判断だったと思う。

 

 また、1973年のニクソンショックで為替が変動相場制に移行してからも日本は円高に対処する為、自動車産業を中心にVA・VE(共に製品の品質や機能を落とすことなくコストダウンを実現する方法)を徹底的に検証しコスト競争力を付けて行った事が、「値上は悪」として全ての産業に浸透した結果であり必ずしも長期に渡る価格低迷ではないと信じたい。先達の涙ぐましい努力の賜物がコストアップを抑制してきた迄であり、これが世界でも真似出来ない日本が長年掛けて培ってきた高品質低コスト”made in Japan”ブランドだと言いたい。

 

 確かにコロナ禍の鎖国政策で少し出遅れたかもしれないが、日本も漸く目が覚めてこれからは真っ当に世界と向き合い強い足腰の強い国家を作り上げようと言う機運になっているのが将来的な強い円への閃光だ。2023年の国際収支では、第一次所得収支が34兆円と海外高金利の恩恵を受けた形になったが、経常収支は久々20兆円を突破した。2008年のリーマンショック辺りを境に国際収支構造が変化し、未成熟な債権国家から成熟した債権国へと変身を遂げ、貿易収支やサービス収支は赤字でも第一次所得収支や対外純資産で確り稼いでいるから問題はないと思っている。

 

 実際の所、資源高で3年連続貿易赤字が円安の一因と言われているが、そもそもアマゾン、グーグル等によるサービス収支のデジタル赤字や政府奨励のNISAでの世界株買いもあるだろうし、何より米中貿易戦争に巻き込まれて米国主導の新しいサプライチェーン作りに奔走し米国・ヨーロッパ大陸でのM&Aで日本企業からせっせせっせと多額の資金が流出しているのでおいそれと簡単に日本に戻って来ないのは仕方ないだろう。しかしながら、台湾のTSMCやPSMCの日本進出の様に米中貿易戦争の恩恵も忘れてはならない。こうした構造変化に十分対応出来ている証がG7の仲間入りを果たしている所以なので円安の根拠にはなり得ないと思う。

 

 それにしても、為替や株の予想なんぞ当たった試しがないのが面白い。FRBのパウエル議長は敢えて失業率を2024年4.0%、2025年4.1%と目標値迄掲げこれ以上の利上げはないとの発言をされているし、11月の米大統領戦の結果次第では世界が大きく変わらないとも限らない。また、それによってロシアや中国だって今後どうなるかも解らない。これだけ円弱と言われた円が急に強くなる事も十分考えられる。何せ阪神大震災後¥79.75や東日本大震災後の¥75.72と、超円高になったんだから。尤も、その時に円が本当に実力を伴っていたのかは疑問だったが…。

 

 数年前迄のFRBと市場との闘いが、今は日銀対市場の戦いにステージが代わっているだけで投機筋にとっては自分が賭けた方向に針が振れたら良いだけで円高になろうがドル高になろうがどちらでも良い筈だから博打みたいなものだが、悲しいかなそんな世界中のエゴイスト達に日本円が弄ばれ日々右往左往するのは流石に疲れる。それより、1ドル200円 位で物事を考えておいた方が5円、10円弱くなろうと余り気にすることは無いので楽だ。

 

 1円円安に振れると数十億円の赤字だとか、大手企業のコメントをマスコミが取り上げるものだから、我々も流されて余計に悲観に暮れてしまうが、去年の税収は67兆円と2年連続過去最高だったんだからマスコミにはまんまと裏切られた。こんなに悲観していてもどうせ今年度も蓋を開ければ34年振りの超円安の恩恵に預かった企業が多数出現し、税収も「3年連続過去最高!」なんて報道がなされるかもしれない。

 

 インバウンドが集中して訪れる一部地域の宿泊業者や飲食業者は、この超円安のお陰でサービス輸出の直需を謳歌している。今やホテルでは1泊20万円とか5,000円定食が平気で出てくる様になり、これらにつられて周りの宿泊代や飲食代もが見る見る上昇し始めた。その根拠って本当にコストアップなのか? 国内に住んでいる日本人にとっては出張したくても高くて泊まるところが無い有様だ。余りにも一般庶民の感覚とのズレが大き過ぎて収拾が付かなくなるのではないかと危惧する。

 

 すこし前のデフレ時には豪華なホテルでも1泊1万円以下で泊まれることもあったし、食事も2千円もだせば十分満喫出来たのとは大違いだ。コストが上がったとは言え、突然円高に振れたらこれら業者は平然として元のレベル迄価格を下げるのだろうか。これだけ豪華な箱を沢山作っても突然の超円高やパンデミックが起こったらこの業界の人達はどうするつもりなのかと疑いたくなるが、結果的には貿易赤字分をインバウンドが調整してくれていると考えれば理に叶っているので、円安でのコストアップ分は十分価格に転嫁して然るべきでしょう。

 

 「人の噂も七十五日」というが、特に海外の人から平和ボケしていると揶揄される日本人だからこの超円安に慣れてしまい、3か月後にはこんな騒ぎも忘れて当たり前の様に生活の一部に吸収しているかもしれない。インバウンドを魅惑させつつも1ドル200円でも平然と暮らして行ける日本国の底力を海外に見せつけたいものだ。

 人生万事塞翁が馬。

 今から2200年以上前、前漢の時代に編纂された「淮南子」と言う書物の一説だが、学生時代に出会った素晴らしい一説で今でも座右の銘として大事にしている。果たして3か月後に笑っているか泣いているか、それとも全て忘れているか楽しみだ。

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