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No.730 厚労省WG、対人業務の充実、ICT化、地域での役割求める「薬剤師が地域で活躍するためのアクションプラン」を発表

2022年08月15日

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◇「厚労省WG、対人業務の充実、ICT化、地域での役割求める『薬剤師が地域で活躍するためのアクションプラン』を発表から読みとれるもの

・「対人業務の充実」「ICT化対応」「地域の役割」を柱とした「アクションプラン」

・対物業務効率化に向け、一包化業務の外部委託の検討

・ICT化・DXは、対人業務充実や対物業務効率化、地域連携を進める上で重要

 

「対人業務を充実しなければ経営が成り立たたない」調剤報酬を提案

 

 厚労省は7月11日、「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ(WG)」の取りまとめとして、①対人業務のさらなる充実、②ICT化への対応、③地域における役割-を柱に、対人業務の充実に向けた対物業務の効率化として調剤業務の一部外部委託を明記した「薬剤師が地域で活躍するためのアクションプラン」を発表した(図3 薬局薬剤師ワーキンググループのとりまとめ概要)。

 

 

 かねてから、約6.1万の薬局・約19万人の薬剤師には「対物業務」から「対人業務」への移行が指摘されていた。2015年に取りまとめられた「患者のための薬局ビジョン」で、いわゆる「かかりつけ薬局・薬剤師」が、①服薬情報の一元的・継続的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導、②24時間対応・在宅対応、③かかりつけ医を始めとした医療機関などとの連携強化—の機能を持ち、「2025年までに、すべての薬局がかかりつけ薬局としての機能を持つことを目指す」との目標達成が示された。しかし、これまでの調査結果からは、薬局全体として薬局ビジョンで掲げられた目標を達成しているとは言い難いのが現状。また、薬局・薬剤師は「新型コロナウイルス感染症をはじめとする新興感染症対応」や「医療分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)」も求められる。

 これらの指摘を受け、今後の薬局薬剤師の業務、薬局の機能のあり方、それを実現するための方策」について、「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」が2022年2月から議論を重ね、対人業務の更なる充実」「ICT化への対応」「地域における役割」の3つの視点から、具体的な対策(アクションプラン)をまとめたもの。

 

 対人業務の更なる充実」では、①対人業務について、特に処方箋受付時以外の業務を推進していく必要がある。②その上で、調剤後のフォローアップの強化、医療計画における5疾病、薬剤レビュー、リフィル処方箋への対応等についてが、推進すべき対人業務である。③対人業務の好事例が均てん化しておらず、そのための方策や課題の収集、分析が必要である-と指摘した。

 その上で、アクションプランとして、「調剤後フォローアップの強化(国による手引きの充実・周知など)」「医療計画における5疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患)への対応(糖尿病患者への薬局薬剤師による食事・運動への説明・介入など)」「薬剤レビュー(患者固有の情報を収集し、薬物治療に関連する問題を分析・特定し、医師や患者等に情報を伝達する体系的なプロセス)の推進」「リフィル処方箋への対応(国による薬局向け手引き作成や、患者向け広報の実施など)」「対人業務に必要なスキルの習得(薬局内・薬局間・地域レベルでの症例検討会開催など)」「好事例の均てん化に向けた取り組み」-をあげた。

 このうち注目されるのが、「好事例の均てん化に向けた取り組み」で「診療報酬(調剤報酬)による対応」を求めたことである。具体的には「対物業務だけでは経営が成り立たない」「対人業務を充実しなければ経営が成り立たたない」ような報酬体系に移管することを提案(あわせてアウトカム・アウトプット評価の充実も提案)し、今後、中医協での調剤報酬を巡る論議が注目される図4 具体的な対応の方向性① 対人業務の充実)。

 

 

■対物業務効率化に向け、一包化業務の他薬局への外部委託を提案

 

 限られた時間・マンパワーの中で対人業務を充実するには、「対物業務の効率化」が必要不可欠となる。ワーキンググループの取りまとめでは、①調剤業務の一部外部委託、②処方箋40枚規制(薬局では、1日平均40枚の院外処方箋に対し1人以上の薬剤師を配置することが求められている)のあり方検討、③薬剤師以外の職員活用、④調剤機器の活用、⑤院外処方箋における事前の取り決め(プロトコル、剤形・規格変更などについて薬局から医療機関への問い合わせを簡素化するなどの取り決め)に基づく業務簡素化-を示した。

 

 このうち、調剤業務の外部委託は現在の薬機法では認められていないが、政府の規制改革推進会議の議論を参考に、①「一包化」業務の外部委託を認める(他の業務についても今後検討)、②委託先は「同一3次医療圏内の薬局」とする(距離制限のあり方などを今後検討)、③安全性が確保される仕組みを設ける—ことを提案。今後の法改正が注目される(図5 薬剤の一包化を外部委託した場合のプロセス及び安全性のリスク(イメージ))。

 

 

 また「処方箋40枚規制(薬剤師員数の基準)」については、「単純に40枚規制を撤廃または緩和すれば、処方箋応需枚数を増やすために対人業務が軽視されるのではないか」「規制が業務外部委託の支障にならないようすべき」との意見が出ており、緩和策の検討が必要となる。

 

■対人業務充実や対物業務効率化のため、ICT化・DX対応を提案

 

 ICT化・DX対応は、上述の「対人業務充実」や「対物業務効率化」さらに、地域連携を進める上で、非常に重要な要素となってくる。ワーキンググループの取りまとめではアクションプランとして、①デジタルに関する知識・技術の習得(国や日本薬剤師会が協力した「薬剤師向け研修」の実施・充実など)、②薬局薬剤師DXに向けた活用事例(好事例)の共有、③オンライン服薬指導の推進、④ICTやAI(人工知能)を活用した調剤後フォローアップの推進、⑤データ連携基盤(電子カルテ等の薬局システムの標準化・統一)、⑥ICTを活用した薬歴管理などの推進、⑦薬局内・薬局間情報連携のための標準的データ交換形式の開発・普及など-を掲げた。

 

 また、地域連携では、「すべての薬局が多機能を持つことは難しい」との観点から、アクションプランとして、①他職種及び病院薬剤師との連携(勉強会や研修会などを通じた顔の見える関係の構築、薬薬連携)、②健康サポート機能の推進(届け出のハードルを分析するとともに、地域住民の認知度向上に努めるなど)、③地域の実情に応じた薬剤師サービス等の提供体制の検討(医薬品供給にとどまらず、夜間・休日対応、感染症対応、在宅対応、情報発信など)-を求めている。

 

 

【事務局のひとりごと】

 

 今月号のもう一つの「ひとりごと」は、本文テーマとあまり関係ない書き出しから始まってしまっているが、

 

 我が国はつくづく「法治国家」なのだと思う(同じ書き出し)。

 

メディファクス8793号 

ワクチン接種デジタル化へ マイナカードで券不要に(令和4年8月3日付 9頁/10頁)

 を一部抜粋。

 ・・・政府は1日、地方自治体の接種手続きをデジタル化する方針を固めた。マイナンバーカードを活用して紙の接種券を不要にするほか、手続きの迅速化を図り、国民の利便性向上につなげる狙いだ。

 早ければ秋の臨時国会に予防接種法などの改正案を提出する方針。・・・2025年度までの運用開始を目指す。

 新型コロナワクチン接種事業では、自治体が接種券の印刷を業者に委託したり、住民に発送したりするのに事務負担や時間がかかっていた。政府が接種間隔の短縮や対象者の拡大といった方針を示すたび、自治体が対応に追われるという課題もあり、デジタル化で解消したい考えだ。

【共 同】

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 こんな感じだが、現在、マイナポイントの大盤振る舞い第2で、マイナンバーカードの発行手続きや健康保険証との連動、公的なお金の振込口座との連動、の3つ。大掛かりなキャンペーン中だ。もちろん普及率は上がるだろうが決して100%にはならないだろう

 キャンペーン期間が終わる9月末。そこまでは派手な広告が打たれ続けることだろう。果たしてその先、どうするのか?とにかく個人の自由意思に委ねる形で全員参加を促すのが民主国家というものなのだろうか

 約2年間にわたり、新型コロナウイルスに感染症に世界中が振り回されてきたわけだが、我が国でも多少はそれを契機にDX化が図られた(筆者の記憶の限りでは、最も進んだのはWeb会議、ウェビナー、一部企業のリモートワーク化と本社縮小、そんなところか)。

 例えば、10万円給付や接種券などは、デジタル化の方がもろもろ便利なはずだ。それが民主国家だからかどうかは分からないが、我が国ではなかなか進まないのである。

 

 先日、DX化におそらく成功されたであろう医療機関の実例を体験した。

 

初診申込・・・自身でWeb手続き(場合によりLINEなどとアカウント連動可)

再診申込・・・自身でWeb手続き(場合によりLINEなどとアカウント連動可)

診察前の問診票記入・・・自身でWeb入力

診察時間・・・スケジュールが開いていない時間帯をWeb上で患者が選択する

電話・・・受診や問い合わせへの対応は行うが、予約の受付などは一切しない。あくまでWeb上の予約に誘導する

支払・・・自動支払機

投薬・・・もちろん院外処方。例えばガーゼを貼るための絆創膏やガーゼすら、どこかで患者が調達する必要あり

保険確認・・・そういえば、これだけは現物確認だった。診察券も薄い紙の手書きもの

 

 いやはや、これならば、おそらく受付業務の人材を雇用するのは楽だろう。あとは外来レセプト作成能力を持ち、若干愛想がよければ文句なしだ。

 何よりも、患者情報を患者自身が入力し、おそらくレセプト情報の患者情報は、全てそのデータを使用するのだろうから、転記ミスが起こらない診察時間の予約調整など、若干の調整が必要と思しき業務も(ここに働く方のストレスが生まれる可能性あり)、そもそも調整する必要がないし、患者も確実に待たずに診察を受けることが可能なのである意味Win-Winか。

 筆者の個人的感覚としては、せめて電話による受付もして欲しいと切に感じた。

 もう一つ、忘れてはならないのが、予約を患者自身がWeb上で行う以上、ITリテラシーの低い患者は、受診に、いや、予約にたどり着くことすらできないのだ。つまり、予約段階で完全にスクリーニングされているのだ。

 おそらくこのクリニックにご高齢の患者が単独で罹ることなどないだろう。そういった患者がなくとも、十分に経営が成り立つ診療圏を構築しておられるのか?あるいは若い女性医師だったので、患者も含めて自らのクリニックのイメージを作りたかった故なのか、それは分からないが、しかし、何かを得るために、強い意志で何かを決めて断行されたのだろう…医療DX

 

 今回のテーマ調剤薬局もICT化やDXは、チェーン薬局ほど、それが実現可能に近い位置付けだといえるだろう。

 

 コメントを紹介したい。

 

〇取りまとめられたような課題は、診療報酬につなげていければ

 アクションプラン取りまとめを受け、厚労省医薬・生活衛生局総務課の太田美紀薬事企画官は、「対人業務の推進は『なるはやで』というところ。今回取りまとめられたような課題に対しては厚労省としてもできる限り早めに着手して、それを診療報酬につなげていければと思う。最終的には(患者のための薬局)ビジョンの目標につながる」と述べ、2025年までに全ての薬局がかかりつけ薬局としての機能を持つという目標を見据えて取り組んでいく考えを示した。

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「なるはや」でお願いしたいですね(「なるべく早く」の意)。

 

 薬局の機能に関するワーキンググループのメンバーからのコメントを紹介したい。

 

〇OECDのデータで日本の薬剤師数は世界的にも多い

 薬局の数が近年増えている。また、OECDのデータで日本の薬剤師数は世界的にも多いことが示されている。これらの数に見合った役割を発揮できているのか。

 

〇多くの薬局が門前薬局という状況で、本当のかかかりつけの薬剤師が育つのか

 多くの薬局がいわゆる門前薬局という状況で、本当のかかかりつけの薬剤師が育つのか。この状況を打開することが重要。

 

〇処方箋の40枚規制を撤廃するのではなく、何らかのルールが必要

 処方箋の40枚規制では、調剤の質の担保は必要。ただし、処方箋の枚数というストラクチャーではなく、プロセスやアウトカムの評価で行うべき。ただ40枚規制を撤廃するのではなく、何らかのルールが必要。日本の診療報酬はストラクチャーである設置基準が中心であるのが現実。これを変えるのであれば診療報酬全体を見直す必要がある。

 

〇外部委託、地域の薬局が3つに役割分担されていくのが望ましい

 外部委託については、地域の薬局が、①主にプライマリケアを担う薬局(小規模・対人業務が主)、②専門的ケアにも対応できる薬局(中規模~大規模)、③主として地域の集中的調剤を担う薬局(大規模)-といった3つに役割分担されていくのが望ましいのではないかと思う。

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 門前薬局かかりつけ薬剤師処方箋40枚規制調剤の外部委託現在調剤で議論されているテーマがてんこ盛りである。

 

 調剤の外部委託について日本薬剤師会からのコメントを紹介したい。

 

〇日薬副会長:外部委託に依存する薬局が使命や本来備えるべき機能を維持・存続できるのか

 安部好弘日本薬剤師会副会長は、外部委託が実施された後の影響について言及し、「委託先から引き受けを断られた場合など、予測できない影響が考えられる」とし、「外部委託に依存する薬局が、薬局として果たすべき使命や本来備えるべき機能を維持・存続できるのか」と疑問を呈した。

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 どんな業務でもそうだが、質の担保業務の継続性ノウハウが自院に蓄積されないこと、などは、アウトソーシング化される際の論点(慎重論の要素)として上げられる項目である。

 

 医師からはこんなコメントだ。

 

〇カンファレンス等に参加など、熱心な薬局とそうでない薬局の差がある

 医師との連携では、例えば、外来で検査値や病名や健診結果等の情報を、在宅医療では退院時や患家でのカンファレンスへの薬局薬剤師の参加等をそれぞれ活用することが有用。熱心な薬局とそうでない薬局の差があるのが問題。カンファレンス等に参加することが当たり前としていく必要がある。

 

〇薬局もクラウドで診療情報が見られるようにすべき

 在宅医は電話で診察することがあるが、その際には自宅でクラウド上の診療情報を見て処方もすることある。薬局もクラウドで情報が見られるようにすべき。

 

〇高齢者施設の患者では外部委託するメリットはない

 在宅医療を展開する診療所。在宅医療の処方箋データを約8万枚のうち一包化指示は約7万枚を占めるが、一包化できない処方や粉砕指示などが5万枚近くにのぼる。そもそも対象が少なすぎる。一包化を伴う処方箋は粉砕なども含めて対象にすべきではないか。さらに高齢者施設の場合は連携薬局が通常1つ決まっている。8割に一包化指示があるが、下剤や外用薬が出たりして外部委託可能な患者は10人程度。そうなると対物業務の負担軽減になるのか。外部委託するメリットがない。

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 そもそも、患者の高齢化等により、一包化などの処方内容の増加に伴い、一包化を機械化するための設備投資費用が中小規模の薬局では経営的に難しいので、そこは能力のある調剤薬局に外部委託を行うことで、「モノから人へ」の調剤の動きの中、調剤薬局が対物業務でなく対人業務を行う環境を構築したい、調剤の外部委託の議論にはそんな背景がある。

 

 ここで調剤DXでの成功事例を紹介したい。

 

〇クラウド型システムを導入、レポート作成に要していた工数が大幅に削減

 全国で保険薬局を運営するクオールホールディングス株式会社は、ドーモ株式会社が運営するクラウド型Modern BI「Domo」を導入。「Domo」導入以前は、手作業によるデータ収集・集計、スプレッドシートによるレポート作成を月数回行っていたため、膨大な時間とマンパワーを要していたが、データ収集・加工が「Domo」によって自動化されたことにより、レポート作成に要していた工数が大幅に削減された。

 

〇経産省のDX認定制度「DX認定取得事業者」に認定

 2021年12月1日、全国で調剤薬局を運営する日本調剤株式会社が調剤専業企業として初めて、経産省によるDX認定制度「DX認定取得事業者」に認定された。デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョンの策定・公表といった経営者に求められる対応を取りまとめた「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項をもとに、DX推進の準備が整っている事業者を認定する制度。同社では2021年8月にDX戦略を策定・公表しており、DXの取り組みに医療業界内では先立って取り組んできた。「スマート医療の提供」「新たな顧客体験の創出」「顧客満足度向上と治療効果の最大化」「付加価値情報の提供」「業務の効率化・対人業務時間の創出」という5つのDX戦略を掲げ、加速的にDX戦略を推進してきた。

 

〇服薬指導しながら薬歴を作成するシステム導入で適切な服薬指導

 一都三県と茨城県に薬局を展開する田辺薬局は、以前よりiPadを利用した薬歴システムを導入していたが、「使える薬歴」を作るための活用までには至らず、内容も薬剤師によってバラつきが出るなど課題があった。服薬指導しながら薬歴を作成するシステム「Musubi」の導入によって薬歴の質が高まり、患者の適切な服薬指導やコミュニケーションの活性化につながった。

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 DX化にはそれなりのハードルがおありだったのだろうが、少なくともこれらの法人は、強いリーダーシップと、現場を巻き込む力ITリテラシー向上の考え方が社内で通りやすい雰囲気が醸成されているなど、特徴があるのではないだろうか。

 

 調剤DXの縁の下の力持ち、DX技術を提供している企業からのコメントだ。

 

〇スマホアプリを利用したかかりつけ薬局化支援サービス

 メドピア株式会社の「kakari」はスマートフォンアプリを利用した「かかりつけ薬局化支援サービス」である。患者はアプリを通じてあらかじめかかりつけ薬局に処方せんを送信しておくことで、薬局での待ち時間の短縮が可能。また薬局は患者の服薬情報の管理から服薬期間中のフォロー、さらにはオンライン服薬指導を行うことができる。

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 その利便性故、ペーパレスが叫ばれる現在でも活用され、現在でも医療機関福祉施設などでは間違いなく現役バリバリの通信手段、「ファクス」。処方箋もファクスからデータ送信の時代となるか?

 

 医療系コンサルタントからはこんなコメントだ。

 

〇薬局DXで薬剤師に求められるものは、コミュニケーション能力

 薬局のDXが進むことで、薬剤師に求められるものにも変化が見られる。様々なシステムが導入されるため、薬剤師にもITリテラシー(ITを適切に理解、解釈、活用する力)が求められる。また、より高いコミュニケーション能力も必要。DXによって薬剤師の業務は対物から対人へとシフトしていくため、患者との服薬指導を介したコミュニケーションはより中心的な業務になる。さらにオンライン服薬指導など、これまでと違った形でコミュニケーションを取る機会も増えると考えられる。もちろん医師などとの医療連携も必要であり、患者以外とのコミュニケーションを円滑に行うことも求められる。

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 様々な職種のある病院よりも、同一のライセンスである薬剤師が要る調剤薬局、さらにチェーン薬局の方がDX化の実現は早いような気がしたのは筆者だけだろうか?

 ただ、以前にも書いたが、患者が薬剤師に求める対人業務が、本当に厚労省の思惑通りかといえば、それはそうでないかもしれない。

 少なくとも筆者は、早く調剤してくれ、決済してくれれば、いちいち申し訳なさそうに問いかけいただかなくても、それで結構なのだが。

 

 最後にこんなコメントを紹介して締め括りとしたい。

 

〇調剤薬局のDXが進む一方、診療所のDXは進まずちぐはぐな感じがする

 近所の調剤薬局にマイナンバー保険証のカードリーダー機器が導入された。しかし、私のかかりつけ医の診療所には、マイナンバー保険証のカードリーダーは未だ設置されておらず、先生も導入するつもりはないと言っている。調剤薬局のDXが進む一方、身近な開業医の医療DXはまったく進んでいない。

 

〇医療DXは、通信障害が起こると、一気に不便で不安なものになる

 オンライン診療が進み、スマホで予約、再診ではスマホの画面で診察し、常備薬はスマホで調剤薬局に処方箋が送られ、調剤薬局では待ち時間なしで薬を受け取る“ワンストップサービス”の時代になってきた。さらに、薬に関する相談や問い合わせにスマホのチャット機能で対応し、薬局外でも患者にサポートする調剤薬局があり、本当に便利な時代になったが、先日のKDDIによる通信障害が起こると、便利なものは、一気に不便で不安なものになってしまう。

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 行き過ぎたデータ通信社会化への警鐘なのか?

 ありましたね。大規模通信障害。筆者も2日くらい、Wi-Fiエリア以外では、スマホが使えず困った(Wi-Fi環境でも通話はもちろん不可能だったが)。裏側で多くの方々が復帰に向けて懸命に動かれたことなのだろう。と思いたいが、DXの時代である。そこがアナログに人海戦術だった、なんてことだとしたら、少し笑えないなぁ。

 お詫び料は一人当たり200円とのこと。浮いた200円で何を買おうかな?

 

 まだまだ暑い日が続きそうな気配の今年の夏。あまり当たって欲しくなかったが、昨今のニュースで人災や災害など、悲しい報道の何と多き事か。

 読者諸氏におかれては、お盆を終わって今年の後半戦を、くれぐれも自愛に努められて乗り切っていただくことを切に願う。

<ワタキューメディカルニュース事務局>

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