バナー

ワタキューメディカル
ニュース

No.755 2024年度診療報酬改定は6月施行に後ろ倒し 「デスマーチ(死の3月)」解消となるか?

2023年09月15日

→メディカルニュース今月の見出しページへもどる

 

◇2024年度診療報酬改定は6月施行に後ろ倒し 「デスマーチ(死の3月)」解消となるか? から読みとれるもの

・4月施行直前は「デスマーチ」(死の3月)と呼ばれ、医療機関やベンダーの業務が逼迫

・薬価改定は4月1日、診療報酬改定は6月1日、初回請求は7月10日に

・改定時期遅らせるメリット・デメリット

 

■政府の診療報酬改定DXの一環、「デスマーチ」(死の3月)の解消となるか?

 2024年度から診療報酬改定がこれまでの4月1日から2カ月後ろ倒して6月1日に施行されることになった。厚労省は8月2日開かれた中医協総会に、診療報酬改定DXの一環として改定の施行日を2024年度から6月1日にする案を提示し、委員から了承を得た。薬価改定については以前と同様に4月1日施行を維持する。

 政府の医療DX推進本部が6月2日公表した「医療DX推進の工程表」では、①2024年度に医療機関等の各システム間の共通言語となるマスタ及びそれを活用した電子点数表を改善・提供して共通コストを削減。②2026年度に共通算定モジュールを本格的に提供。③共通算定モジュール等を実装した標準型レセコンや標準型電子カルテの提供により医療機関等のシステムを抜本的に改革し、医療機関等の間接コストを極小化するという「診療報酬改定DX」について、「診療報酬改定の施行時期の後ろ倒しに関して、実施年度及び施行時期について、中医協の議論を踏まえて検討」すると記載された。これを受け、8月2日の中医協総会で診療報酬改定の施行を2024年度から6月1日に変更する厚労省案が了承された(図1 診療報酬改定時期を2ヶ月後ろ倒しした場合のスケジュール(案))。

 従来の4月改定では、2月上旬に中医協答申、3月上旬に関係告示があり、3月下旬に電子点数表が示され、4月1日に施行、5月10日に初回請求というスケジュールで、3カ月あまりの期間に業務負担が集中してしまう。特に施行直前は「デスマーチ」(死の3月)と呼ばれるほど、医療機関やベンダーの業務が逼迫。医療機関のコスト面を含めた負担の大きさが指摘されていた(図2 診療報酬改定への対応状況(現状))。

 新たなスケジュールでは、答申や告示の時期はそのままで、薬価改定は4月1日、診療報酬改定は6月1日、初回請求は7月10日になる。経過措置を設ける場合は9月末までを基本とする。さらに、診療報酬算定・患者の窓口負担金計算を行うための全国統一の共通的な電子計算プログラム「共通算定モジュール」の開発も進め、作業負担の軽減を図る。

 

改定施行時期を遅らせた場合のメリット・デメリットも

 現行の「4月施行」を数カ月遅らせることができれば、医療機関等やシステムベンダーの負担は相当軽減されるというメリットは大きい一方で、改定施行時期を遅らせた場合には、当然、新点数の施行が遅れるため、医療機関等の収益や、医療保険財政に影響が出る。特に、プラス改定の場合には医療機関の収益増が数カ月遅れることとなり、マイナス改定の場合には医療保険財政の軽減効果が小さくなってしまう。さらに、改定の効果が出る時期が遅くなり、結果検証が遅れ、次期改定に向けた十分なデータが集まらないといった弊害が出るといったデメリットも予想される。

 さらに、4月の薬価改定、6月の診療報酬改定への対応と、2度のシステム改修が必要となり、医療機関等の負担がかえって増加しないかが心配。医療機関等への影響を調査・検証する必要があるとの意見もあり、厚労省では、秋ごろまでをめどに医科・歯科・調剤の各関係者、ベンダーと意見交換を順次行い、システム改修の負担軽減分を確実に医療機関等に還元できるように進めていく。診療報酬改定DXの効果検証をどう行うべきかなども今後検討する考えだ。

 

 

 


 「流れ」

 非常に暑い夏であった。もしかすると今号がリリースされた今も、残暑は続いているのかもしれない。

 

 地球温暖化が進んでいるからだ

 

 至極もっともらしく聞こえるが、反面、7月に行ったセミナーでは、数値として現在の地球の状況を知る事にもなった。

 曰く、

 日本のCO2排出量は10億t/年であるという。これを我が国はパリ協定で、30年間で「排出ゼロ」に持っていくと合意した。

 

10億t÷30(年)÷2

 

 仮にそれが実現すれば、この30年間で我が国がCO2で地球に与える負荷を削減できる数式だ。ここから導き出される量は150tである。

 兆換算すると、0.015兆t。

 この削減値が地球の気温低下(温度上昇抑制)に与える影響は0.0075℃になるのだそうだ。

…。

 一体誰が、

 

「今日は昨日より0.0075℃涼しいね」

 

 などというのか?それを感じとることができるというのか?

 微差である。

 誤差とすらいえない数値である。

 このような数値的な現実もあるようだ。

 

 それでも、体感としては幼い頃よりも「暑い」と感じることが多くなった日本。

 その原因が地球温暖化によるものなのかは何とも言えないが、確実に変化していると感じてしまうのは偽りようがない。

 

 その反面、数値・数字は改ざんしない限り、我々に事実を突きつけてくれる、人類にとって非常に有益なツールである。

 約50年間も生きてくると、高校で習った記憶のある、あの時は意味不明だった、見ただけで自動的に「理解不能」と思い込んでしまった数式も、概念だけは何となく理解できる(※1)。

 

 一定の基準で連綿と統計された数字には、やはり意味があるのだろう。数字は何も語らないが、それを見た人間はその中に意味を見出す。「流れ」を感じる。

 数字の意味を読み取るのは人間なのだが、そこはあまり恣意的になることなく、事実として受け止めざるを得ない。

 また、数字を出すための前提条件が変われば、それは「別物」と言えるのかもしれず、12か月(旧点数)と10カ月(新点数)を比較することになるだろう近い将来の議論が、いろいろとややこしくなることも想像できる。そこを拠り所に、この動きに表明されている懸念もある。

 

 今回のテーマは、DX的な諸般の事情から、診療報酬(だけ)の改定時期2か月後ろ倒しになる、「デスマーチ解消となるか?という内容についてである。

 提案の背景に考え方は至極前向きなのに、受け止め方としては、これもまた至極もっともに聞こえてしまうが、敢えていうなら後ろ向きな意見が多い。これも「流れ」を堰き止める、あるいは「流れ」自体を根底から覆すような変革(DX?)の考え方故におきる現象なのだろうか。

 

 コメントを紹介したい。

 

〇加藤厚労相:医療DX推進工程表で重点的に取り組む3つの柱

 6月2日の閣議後の厚生労働大臣記者会見で、加藤勝信大臣は医療DX推進工程表で重点的に取り組む3つの柱として、①全国医療情報プラットフォームをまず構築していくということで、2024年度中の電子処方箋の普及、あるいは介護保険・予防接種等に係るマイナンバーカードを利用した情報連携の実現、②電子カルテ情報の標準化等③2024年度からプログラム開発に着手し2026年度には診療報酬の算定、また患者負担の算定ができる共通算定モジュールを本格的に提供する-ことを示した。


 2022昨11月号 No.735政府の「医療DX推進本部」が発足、来春に全国医療情報プラットフォーム創設など「新工程表」策定で、加藤厚労相の力強いメッセージに触れた。あれから1年も経ってはいないが、水面下では進んでいたのだろうが、現実がそこまでDXしているとは思えない。それがいよいよ次期診療報酬改定で実現するということか。

 

 今度はこんなコメントを。

 

〇医療課長:費用低減分に関して着実に医療機関に還元されるようしたい

 8月2日の中医協総会で、6月施行が医療機関にとってどういうメリットがあるのかと問われ、厚労省保険局医療課の眞鍋 馨医療課長は、秋頃までに医療関係団体やベンダーにヒアリングを行う予定を表明。「その中でも費用低減分に関して着実に還元されるようにということで、それを実施して求めていきたい」と述べた。また、「共通算定モジュールの開発、あるいは標準型の電子点数表を改定して、全体のコストがどれくらい安くなるか、そういった効果も最大化していかなければならないだろうと考えており、いま計画をしている。そういったことを通じてその効率化を最大化するという取り組みを進め、逐次進捗状況をチェックしていきたい」と応じた。


 ヒアリングか。たしか岸田総理もその力に定評があるそうだが、もしもその結果、あまりメリットがない、となったらどうなるのか?

 本文中【図-2】診療報酬改定への対応状況(現状)によれば、改定前の9月頃から改定後の5月頃まで、ベンダーにとってみれば非常に人工・コストのかかる作業工程である事が想像できるし、今どき手計算で患者に請求している医療機関もほぼないだろうから(これは筆者の独断)、規模の大小はあれど、病院・診療所(歯科含む)・調剤薬局等、最低でも240,000件以上はある(※2)。さらに介護施設等で診療報酬を請求する施設などもあるだろう。

 これだけの取引先に対し、短期間で対応するベンダーも大変だろうが、対応の際にはマンパワーもさることながら、当然フィーも発生することだろうから、これが相当縮減する(と勝手に筆者は想像してしまうが)、となると、

そこで給料をもらっておられる方の仕事はどうなるのか?

 と考えるべきなのか

 その仕事によって日頃ですらオーバーワークの上、「デスマーチ」の過重労働ともいえる状態が緩和されるので、給料をもらえないことなんかより、仕事から解放される方がはるかに良い

 と考えるべきなのか

 そこが分からないところだ。

 しかしながら、金額的には相当な効果が出るのではないか

 ただ、「費用低減の還元」は、印象論としては理解できなくもないが、医療機関にとってみれば、かかる費用が削減され、人件費もおそらく低減されるのが費用的メリットなのだろうが、さらにその上に「還元」とは、一体何があるのだろうか?

 

で、各病院団体の、こんなコメントである。

 

〇全日病副会長:国民や医療機関に医療DX推進のメリットがうまく伝わっていない

 7月7日の社保審医療部会で全日本病院協会の神野正博副会長は、「医療DX推進工程表の資料にライフステージに応じた国民、医療・介護事業者、保険者・ベンダー等関係者にとっての医療DXのメリットが書かれている。しかし、実はこのほかに国や行政、社会保険診療報酬支払基金などの団体にとってのメリットが隠れているのだと思う」と、国民や医療機関にメリットがうまく伝わっていない現状についての懸念を示した。

 

〇日本精神科病院協会長:精神科病院の電子カルテ普及率は4割。微々たる診療報酬で電子カルテ導入は無理

 7月7日の社保審医療部会で日本精神科病院協会の山崎 學会長は、「精神科病院の電子カルテ普及率は4割程度。一度導入すると、膨大な運用費用がかかる。微々たる診療報酬で電子カルテを導入しろといってもそれは無理なので、財源を誰がどれだけ出してくれるのかを明確にしてほしい。医療DX推進に当たっては国が責任を持って、中小病院に財政援助をするという方針を明確にしてほしい」と訴えた。

 

〇医療法人協会長:医療DX推進には、医療現場への財政支援が必要

 医療DX推進工程表などをテーマに議論が行われた社保審医療部会で、日本医療法人協会の加納繁照会長は、医療DX推進工程表に「間接コストの極小化を実現することが重要」との記載があることについて「極小化とは具体的にいくらなのか」と質問。これに厚労省が「トータルの取り組みとして極小化との記載だ」と回答すると、加納氏は「ベンダーが医療DX進行とともに金額を上げてきている。財源についてのお答えがなかったが、答えていただかないと現場では無理だ」と、医療DX推進に当たって医療現場への財政支援を明確化すべきだと求めた。


 先ほどの筆者の疑問への回答、一つのヒントがあった。即ち、

 

 国や行政社会保険診療報酬支払基金などの団体にとってのメリット

 

があるとすれば、診療報酬改定DXによってのコストメリットならば、「診療報酬に還元」という発言につながるのかもしれない。

 

 医療機関のコメントだ。

 

〇急性期病院ほどシステム改修に費用がかかる

 診療報酬改定6月施行となると、院内の全ての医療情報に関するシステムの改修が必要となり、病床数が多い急性期病院ほど莫大な費用がかかることが危惧される。システム改修・構築に当たって、財政的支援があるのか。従来からの診療報酬改定年の4月から新しいルールに変わるといったイメージが強い。院内の周知はもとより、連携医療機関、調剤薬局などに対して具体的にどのようなメリットがあるのか、ひいては患者にどのように還元されるのかを明確化し、丁寧かつ早期に周知していただきたい。

 

〇保守費用やリース料大幅に引き下げなど、ベンダーの費用低減分が確実に還元されることを求める

 診療報酬改定DXの目的である、医療機関の負担の極小化を実現するためには、単に実施時期の後ろ倒しだけでは十分ではなく、同時に医療従事者の負担軽減や効率化のための他の取組みが必要である。医療機関の費用負担軽減のためには、改定時期の後ろ倒しで最も大きな恩恵を受けるベンダーが保守費用やリース料を大幅に引き下げるなどして、確実に医療機関に還元する必要がある。医療従事者の確保に苦労している中小の慢性期病院に果たしてメリットがあるのか?

 

〇マイナンバートラブルを解決できず、何が診療報酬改定DX

 内科開業医。全国的な広がりみせるマイナンバートラブルは、開業医にストレス負荷をかけ日常診療の妨げになっている。マイナンバートラブルを解決できないで、何が診療報酬改定DXか怒り心頭だ。


 なるほど。改定への対応の直接的な請求だけでなく、他にも間接コストは下がる(はずだ)から、システム系にかかるコスト削減の恩恵がベンダー側にあったとすればそれも医療機関に還元されるべき、この意味合いも含まれていたのか…。

 マイナンバートラブルに関しては、日常業務の妨げになっている、という点においては、心中お察し申し上げます(※3)。

 

 今度は調剤薬局にまつわる業界のコメントだ。

 

〇日薬副会長:薬価改定と調剤報酬改定の実施期間の分離、非常に不安

 8月2日の中医協総会で日本薬剤師会の森昌平副会長は、「診療報酬の改定は6月、薬価改定は4月施行という2回に分けて改定を行うことについてはその準備に対する医療現場の負担、そして実際に施行された後の医療現場への影響が読めず、非常に不安を覚える」とコメントした。


 確かに…。薬価だけは4月改定を維持、というのは、「意地でも維持する」、ということなのだろうか?結局一部は4月にも対応6月も対応(但しこれまでの作業感からは激減?)、では現場の手間感は変わらないのでは?と不安を感じるのは無理もない。

 

 医薬品卸業界のコメントだ。

 

〇毎年薬価改定による財源は、診療報酬や調剤報酬といった財源に振り向けるべき

 日本医薬品卸売業連合会の宮田浩美会長(スズケン会長)は7月27日の理事会後の記者会見で、毎年薬価改定による財源について、少子化対策は「非常に重要な問題」との認識だが、医療費や薬剤費にも余裕はなく、医薬品卸としても厳しい経営状況にあると指摘。その上で、「毎年改定によって出された財源は、まずは診療報酬や調剤報酬といった財源に振り向ける。まさに、そういうところに使われるべきものだ」と強調した。


 過去最高114兆円程度といわれる各省庁の概算要求合計額に、異次元の少子化対策分の予算も当然織り込まれている。診療報酬、特にモノ(なぜか医薬品)から予算を捻出するのがここしばらくの通例だ。ここからはそういう議論の応酬が始まる…。

 

 続いては医療事務受託業者のコメントを。

 

〇診療報酬改定DXにより、医療事務の外注化が激減?

 医療DX推進の流れか、最近、院内にITに強い人材確保を進める民間病院が増えているようだ。24時間365日、残業代なしでPC上の定型業務を処理してくれるソフトウェアロボットであるRPA(ロボティック プロセス オートメーション)を導入し、院内の定型業務の効率化を図る民間病院が散見される。診療報酬業務は定型業務の最たるもので、診療報酬改定DXによる電子カルテ情報の標準化や共通算定モジュール策定が進めば、院内のIT担当者が診療報酬改定システムを構築するようになる。医療事務の外注化が激減するのではないか。


 DX、というよりAIの登場で、AIに人から仕事が奪われる!?)とされていた業務に、果たして医療事務診療報酬請求業務含まれていたのだろうか?何となくの想像だが、少なくとも後者は確実に含まれていただろう。前者は対人業務の側面もあるので、一概には言えないのかもしれない。そうすると医療事務請負という産業は、業界自体どうなっていくのだろうか

 反面、働き手不足で業界に人が来ない、という問題も大きく横たわっている。医療事務業務においてもそれは深刻な問題だ。

 

 医業系コンサルタントのコメントだ。

 

〇医療-介護業界の橋渡しが診療報酬面でも評価

 トリプル改定にかかわる話題として、「2025年問題」と「2040年問題」がある。2040年が実際に訪れた際、社会保障費や診療報酬面にはどんな影響がもたらされるのか。一般に高齢者ほど病気に罹りやすいため医療・介護需要が大きく、社会保障費も増加する。たとえば、要介護者等の高齢者が誤嚥性肺炎や尿路感染症を患った場合、介護だけでは対応が困難なため、医療施設である急性期病院に入院する必要がある。状態が落ち着いた後は、介護サービスを主体とする施設へ再度移る必要が出てくる。このようなケースでは両施設間のスムーズな連携が重要であり、医療-介護業界の橋渡しが診療報酬面でも評価されていくと思う。


 医療介護相互連携体制評価加算。などという点数が設定され、その点数の内から介護施設に支払われるのだろうか?それとも介護側には介護側の報酬が付くのだろうか。

 「連携」という表現が使われて久しいが、「連携」は果たしてどこまでの現場に浸透しているのだろう2040、筆者は70代、前期高齢者である。願わくば「シームレスな連携」が実現していて欲しいものだ。

 

 最後に、今回のテーマのキーパーソン的役割の、医事系システムベンダーのコメントを紹介して締め括りとしたい。

 

診療報酬体系をシンプルで簡単な仕組みに

 電子カルテもレセコンも、診療報酬改定や通知の発出の度に、自動的に新点数に置き換わることが理想である。そもそも診療報酬の算定に当たり、ロジックが複雑であるために、地域によって解釈に違いが出るような部分もあり、根本的な診療報酬の仕組みそのものの変更が必要と感じる。現在進められている審査支払側における、全国共通の点検の仕組みの構築がしっかり行われることで、医療現場の負担軽減が享受できると考える。共通算定モジュールの開発に合わせて、診療報酬ロジックをよりシンプルなものに変更することも併せて考えていただきたいと思う。

 

〇気になるのは、薬価改定との兼ね合い。期待していた予算や医療費抑制へのインパクトが薄れてしまう

 診療報酬改定の後ろ倒しは、ベンダーにとっても、医療機関にとっても負担が軽減されると共に、新たな診療報酬への対応の時間的猶予ができるため、逸失利益を低減できる可能性がある。ただ一方で気になるのは、薬価改定との兼ね合いだ。現在薬価改定は毎年行われ、国の予算編成においても薬価が調整弁のように使われている。診療報酬改定時期の変更に合わせて薬価改定も後ろ倒しにすると、国としても期待していた予算や医療費抑制へのインパクトが薄れてしまう。医療機関では包括評価が拡充していることもあるので、診療報酬改定と一緒に実施するというのが自然なようにも考えられるが、薬局ではまた事情も異なってくる。


 「審査支払側における、全国共通の点検の仕組み」については順調に進んでいるようだ

 統一化標準化単純化DXにおいてもこのキーワードは大切だ。ただしそれが実現した後は、悪意による乗っ取り対策がとても重要になることだろう。

 また、費用面においては、…こちらは、国全体の予算のことも気にかけてくれているようだ。

 

 2024年改定まで、もしかするとあと何回かはテーマとして採り上げそうなこのテーマ。今後の議論から目が離せない。

<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

(※1)…夏休みの宿題をやろうとしない我が子に、抽象的な概念(XやY、a・bなどを使用する)を使用した数式の問題を理解させるのに非常に苦労するのだが、たとえ今は分からなかったとしても、遅ればせながらでも人生経験を経ていくうちに、いつか理解してくれたら良いのではないか?

 そう思ってしまうし、上っ面だけ理解することに何の意味があるのかとさえ思う。したがって、毎日ガミガミいうのもどうかな?という気になってしまう。

 今度はその考え方の違いで、母親である存在の妻と言い合いになる。

 

 8月、夏休みの終わりが近づく頃、一体どれだけの家庭でそんな光景が繰り広げられたのだろうか…。

<筆者>

 

(※2)…病院 約8,200、診療所(無床含) 約104,000、歯科診療所 約68,000、調剤薬局約61,000を単純合計。さらに介護施設や福祉施設など、診療報酬改定によって何らかの影響を受ける施設数はさらに大きな数になることだろう。

<WMN事務局>

 

(※3)…確かに仰るとおりでもあるなあ。ただ、これまで積みあがってきたシステム的な面もあるのかもしれないが、それよりも、間違いを起こすことが前提の人間が起こした、人為的な間違いによる要因が大きいのではないか、と考えられる中、「トラブル解決なしに前に進むとは何事か!?」という考え方ばかりでは、ものごとが一つも前に進まないような気がするのは筆者だけだろうか。

 ただし、「間違いなど起こらない」前提でこれまでの議論を進めてきたかのように見える行政に対しては、少し「もの申したい」気はしてしまうのだが…。

 でも、文句を言おうにも、国には顔が見えないからなぁ。

<筆者>

 

ヘルスケアNOW
ワタキューセイモア株式会社

ワタキューメディカルニュースの最新情報をメールで受け取れます。

下記の個人情報の取り扱いについて同意のうえ、登録フォームへお進みください。

■お客様の個人情報の取り扱いについて

1.事業者の名称

ワタキューセイモア株式会社

2.個人情報保護管理者

総務人事本部 本部長

3.個人情報の利用目的

ご入力いただいた個人情報は、WMNメール送信のために利用いたします。

4.個人情報の第三者提供について

法令に基づく場合及び本人ならびに公衆の生命・健康・財産を脅かす可能性がある場合を除き、ご本人の同意を得ることなく他に提供することはありません。

5.個人情報の取り扱いの委託について

取得した個人情報の取り扱いの全部又は一部を委託することがあります。

6.保有個人データの開示等および問い合わせ窓口について

ご本人からの求めにより、当社が保有する保有個人データの開示・利用目的の通知・訂正等・利用停止等・第三者提供の停止又は第三者提供記録の開示等(「開示等」といいます。)に応じます。

開示等に関する窓口は、以下の「個人情報 苦情・相談窓口」をご覧下さい。

7.個人情報を入力するにあたっての注意事項

個人情報の提供は任意ですが、正確な情報をご提供いただけない場合、WMNの送信及び最新情報などのご案内が出来ない場合がありますので、予めご了承下さい。

8.本人が容易に認識できない方法による個人情報の取得

クッキーやウェブビーコン等を用いるなどして、本人が容易に認識できない方法による個人情報の取得は行っておりません。

9.個人情報の安全管理措置について

取得した個人情報の漏洩、滅失または毀損の防止及び是正、その他個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じます。

このサイトは、(Secure Socket Layer)による暗号化措置を講じています。

ワタキューセイモア株式会社

個人情報 苦情・相談窓口(個人情報保護管理者)

〒600-8416 京都市下京区烏丸通高辻下ル薬師前町707 烏丸シティ・コアビル

TEL 075-361-4130 (受付時間 9:00~17:00 但し、土日・祝祭日・年末年始休業日を除く)

FAX 075-361-9060