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553号 どこまで進む?ジェネリック処方

2015年04月15日

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 厚生労働省は3月18日開いた中央社会保険医療協議会(中医協)総会に、2014年度診療報酬改定の結果検証の3件の特別調査速報を報告した。

 このうち、「後発品使用促進策の影響および実施状況の調査」では、一般名処方のうち約7割が後発医薬品(ジェネリック医薬品)で調剤。その一方で、先発品からの変更不可の後発品割合が、前回調査の2013年度22.8%から2014年度は44.8%と倍増した「後発医薬品名で処方された医薬品における「変更不可」のチェックの状況」)。

 医師の処方せんに記載された先発医薬品の後発医薬品への変更については、2012年度診療報酬改定で後発医薬品の使用促進策として導入。後発品への変更を不可にする際は、個々の医薬品について変更の可否を明示しなければならなくなり、処方せん様式が変更された。処方せんの処方欄に変更不可欄が設けられ、後発品への変更を不可にしたい医薬品がある場合には、変更不可欄へ「☑」または「×」を処方薬ごとに記載し、さらに保険医署名欄へ署名または記名・押印が必要となった。

 今回の特別調査速報では、一般名処方で後発品を調剤した割合は、2013年の59.6%から70.8%にまで増加処方せんの“変更不可”のチェックに印がついていたのは、先発品では26.9%で2013年から減少。これに対し後発品では44.8%と、2013年の22.8%からほぼ倍増

 医師が特定の後発品の銘柄を指定する理由は、「特定の銘柄以外の後発医薬品に関する情報提供が不足」「患者が希望した」が上位。後発品の処方で変更不可の割合が増加したことについて、中医協総会で日本医師会代表の委員は、「同一成分の後発品で製品数が多すぎるためで、医療現場は品質を懸念している」と指摘している。

 さらに調査速報では、医師の処方決定に患者の声の影響が強まっていることも明らかになった。積極的に後発品を処方すると回答した医師は診療所で35.7%、病院医師で46.2%。それ以外の医師に理由をたずねたところ、「後発品の品質(効果や副作用を含む)に疑問がある」(診療所:63.2%、病院:59.5%)に、「患者が先発医薬品を希望する」(診療所:35.3%、病院:30.3%)が次ぐ結果となった。

 財務省は、2007年の財政制度等審議会財政構造改革部会の資料の中で「先発品をすべて後発品に変えたら、医療費は1.3兆円削減できる」との試算を提示。これらを受け、厚労省は「後発医薬品の数量シェアを2018年3月末までに60%以上」にする“後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ”を公表するなど、後発品使用促進策を進めてきた。その結果、薬剤費に占める後発品の割合は、2007年の5.6%から2013年に12.6%まで増加。数量ベースでも51.2%に達した。そして、今回の中医協の特別調査速報で一般名処方のうち7割が後発品で調剤されたことが明らかになった。

 

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<ワタキューメディカルニュース事務局>

 

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